2020年6月11日にTwitterに投稿した暴虐な軍国主義者、楠木武が恥をかく物語の通算11話目の加筆修正版をPrivatter+に投稿。キングギドラが主人公を担いゴジラ、モスラ、ラドンも大活躍。残忍描写濃い目なので閲覧注意。菊タブー?何それ?
悪態をつきながら自家用車を運転中の殺人犯楠木は無論自首する気など全く無い。裏山に配偶者の遺体を埋め帰宅した殺人犯楠木は目の前の野良猫に石を投げつけたものの、石は猫に当たらず楠木の自宅の窓ガラスが割れた。
「正義、俺だ、父親の武だ。実は俺が留守の間に久代が置き手紙を残して出て行った。今度お前が帰ってきたら3人でどこか美味しい店に行こうと思っていたのに困ったものだ。ではそろそろ電話を切る。じゃあな、正義、立派な帝国軍人になるんだぞ。」
現在別府駐屯地にいる楠木正義1等陸曹は留守電の録音を聞きながら陰鬱な表情である。母久代に暴力を振るう父武の姿を幼い頃から何度も見てきた正義は直感的に父の嘘に気付いたようだ。家庭内暴力の被害者は暴力を振るわれる自分が悪いと言い加害者を庇うことがあり、武からの暴行を見かね密かに離婚を勧めた正義の申し出を断った久代はまさしくその典型だろう。
それから程なくして轟天号が完成し、楠木は轟天号完成の立役者として謹慎を解かれ寺内亡き後門長が臨時代理を務め続けていた防衛相に就任した。当然ながら現役自衛官の大臣就任は正真正銘の憲法違反。楠木の防衛相就任に「皇国義勇軍」の団員達は狂喜乱舞し、
ホテル椿山荘ホテル棟1階の宴会場、メイプルルームを貸し切り祝賀会を開催することに。
「楠木武から祝賀会の招待状が届いたよ。正直気が進まないが、彼の息子も参加するそうだからどのような人物か見ておくため参加することにした。ヨヴェル、君にも招待状が来ているが参加は、しないだろうな。」
ホシェルから手渡された招待状を開封もせずその場で破り捨て、ヨヴェルは怒りをあらわにしながらこう叫んだ。
「当然です!楠木武が強引に設計図を書き換えたせいで本人が謹慎した後も轟天号完成まで色々苦労があったんですよ!ルクス様も物好きですね。楠木武の息子なら父親同様に声がデカい自分勝手な暴力主義者に決まっていますよ!」
結局ホシェルは一人ホテル椿山荘のメイプルルームへと向かう。自衛官だらけの会場には「皇国義勇軍」を秘密裏に支援する防衛族議員も複数人いる。酒は苦手なホシェルがオレンジジュースのグラスを手にした途端に怒鳴り声が鳴り響いた。会場出入口付近にて楠木が身体検査担当者の胸ぐらを掴みながら激昂し、やはりと言うべきか会場全体に響き渡る怒鳴り声の主はこの男。
演台に立った楠木は30分前とは打って変わって上機嫌な一方、この外道が振るう「軍人精神注入棒」により全身をめった打ちにされた身体検査担当者が会場裏の床に横たわり呻いている。他の参加者達が一斉に拍手する中楠木を一睨みしたホシェルがさりげなく周囲を見回すと会場の隅に佇む正義の姿が視界に入った。演台に立つ武を睨む正義はホシェル同様全く拍手していない。
「本日はこの楠木のため集まってもらいありがたい限り。皆も知っての通り轟天号はこの楠木が汗をかき完成させた万能戦艦、船首の菊の御紋の輝きはまさしく天皇陛下のご威光!そしてこの楠木が防衛相に就任し日本の国防は盤石だ!グハハハハ!」
相も変わらず下品な笑い声を披露した楠木が演台から降りると、陸自初の声楽要員として広報を担う
鶴真理恵3等陸曹が演台に立ち『君が代』を独唱し始めた。鶴の清楚さを前面に出し毎日人を殺す訓練を行いいじめや暴行が絶えない自衛隊の実情には程遠い清廉さを演出、自衛隊が世間に対し行う印象操作は至って単純、そして至って露骨。
正義は武に外に出て話をしたい旨を伝え、プライベートテラスに向かう楠木親子をホシェルが追う。
「正義、今日は来てくれてありがとう。俺の防衛相就任は大々的に報じられているから久代もどこかで見てくれているだろう。で、話というのは何だ?轟天号に試乗したいと言うなら大歓迎だぞ。実は既に来週行われる轟天号試乗会の参加者名簿にお前の名前を書いてある。何しろ俺は自他共に認める轟天号完成の立役者だからな。それくらい簡単だよ。」
夜風を浴びながら酔いに任せ、武は一人ペラペラ喋っている。
「お前が俺の身を案じて拳銃を携帯し会場に来てくれたのには感激したよ。薄汚い反日左翼共が有能な愛国者である俺の暗殺を企てているし、轟天号を完成させた俺の才能と名声を妬む輩は自衛隊内部にも数多い。孝行息子を持てて俺は幸せ者だ。身体検査でお前から銃を没収しようとしたあの馬鹿にはきちんと軍人精神を注入しておいたぞ。全く、父を想う息子の気持ちも知らんで!」
すると黙り込んだまま父親の酒臭い吐息を浴び続けていた正義が突然口を開いた。
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.