2020年6月11日にTwitterに投稿した暴虐な軍国主義者、楠木武が恥をかく物語の通算11話目の加筆修正版をPrivatter+に投稿。キングギドラが主人公を担いゴジラ、モスラ、ラドンも大活躍。残忍描写濃い目なので閲覧注意。菊タブー?何それ?
突然のラドンの咆哮に驚き逃げ出した自衛官2人のそれぞれ喉にメキシコオオカミ夫婦が力一杯噛みついた。この狼夫婦は文明人の環境破壊により狩りの機会に乏しく餓死寸前だったのだ。ラドンとモスラの二神が見守る中、狼夫婦は絶命した自衛官2人のそれぞれの腹部に喰らいつき飢えを満たす。
世界文化遺産、法隆寺が所属する
玉虫厨子には
薩埵太子が餓死寸前の虎親子に喰われる様子が描かれ、何を隠そうこの私も実物を何度も鑑賞した身。自発的に虎親子に身を捧げ釈尊に転生した薩埵太子とは違い、この自衛官2人は自発的に狼夫婦に喰われたわけではないため聖人への転生はまず不可能な上、殺戮を楽しんだ大罪を反省しないまま死亡と地獄行きはまず避けられない。
野生の肉食動物は餌を貰うことに慣れてしまうと自発的に獲物を捕食しなくなり結局餓死してしまう。そのことを知っていたラドンはメキシコオオカミ夫婦に生きた自衛官2人を捕食させ餓死の危機から救うとともに狩りの手法を思い出させた。先程ラドンがモスラに合図したのはこの2頭を救う意向を伝えるため、そしてモスラはラドンの自発的な善行を大歓迎している。
こうしてアメリカ本土にて大量殺戮を楽しんでいた寺内らは全員喰い殺された。「天網恢恢疎にして漏らさず」ということわざ通りの結末、戦争という環境破壊、殺戮という悪逆非道を楽しんでいた腐れ外道共に相応しい最期だ。
インド北部のウパラ地方にはシヴァ共同事業体なる謎の国際的科学事業組織が活動拠点となる研究所を構え、経歴不明の日本人科学者、葦原道幸が半世紀以上前4000m地下にて発見したという未知の物質の研究を担う。
「特異点が活性化し始めた!これはヤバいぞ!」
「何故急に活性化したのでしょう!?しかもよりにもよって国中が大混乱しているこんな時に!」
「そんなの知るか!葦原論文とやらを完全に解析出来ればわかるかもしれんがな!って、無駄口叩いている場合か!」
見たところ所員達が「特異点」と呼ぶ存在こそその未知の物質と考えられる。しかし今現在所内全域が混乱の坩堝のため研究どころではない。そしてその混乱を画面越しに眺めるボサボサ髪の男はモジャモジャの髭に覆われた口の端を吊り上げ、黒縁眼鏡の奥のうっすら血走った両目が偏執的かつ底意地の悪そうな印象を受ける。
「騒げ騒げ愚民共、この俺様が既に見てきた未来、破局を思う存分満喫するがいい。グフフフフ。」
現在このボサボサ髪の男は千葉県館山市内の電波観測所、通称ミサキオクの地下に潜伏中。所内出入口付近の壁にかけられた見取図には載っていないミサキオクの地下階は世間一般から隠れて暮らすこの男にとっては格別の隠れ家だ。暗い部屋に一人身を潜めタブレット端末に向かってブツブツ呟くその姿からは健全さが全く感じられないが。
「俺様は全人類の1歩先、いや1000歩先を行っている。70億の愚民共を見下ろすのは実に爽快だな。」
そしてこの物言い、一体どこまで思い上がれば気が済むのだろうか。男の傍らの机の上には1冊の冊子が置かれ、よく見るとウパラの研究所にある葦原の論文と全く同じ。それもその筈でシヴァ共同事業体の原型となる組織を設立したのが葦原に他ならず、そもそもウパラの研究所自体が葦原論文に基づく研究を行うための施設である。
「21世紀になって久しいのにこの俺様が20世紀半ばに書いた論文を誰一人解析出来ていないな。最近のインドは発展が著しいと聞いていたがこの程度か。全く、人類の進歩というのも大したこと無いな。いや、この俺様一人が大したことあり過ぎて他の連中がついて来れないだけか。」
驚くべきことに現在ミサキオクの地下階にて一人ニヤニヤ笑うこの男の姿形は葦原そのもの。数十年前行方不明になった時と同一の容姿のこの男は一体何者なのだろうか。それはさておき葦原の論文は極めて観念的、即ち具体的な事実に基づかず現実に即していないため論文と呼ぶには余りにも稚拙過ぎる。要するに誰一人解析出来ないのではなく、単に解析するに値しないだけ。
ふと立ち上がった男は部屋を出た。エレベーターに搭乗し最下層階に移動するとそこには広大な空間が広がり、かつて旧日本海軍に討伐された謎の巨大生物、
古史羅の骨が中央に横たわる。館山海軍航空隊基地があったことからわかるように館山市は旧日本海軍との関わりが深く、ミサキオクも元々は地下階に隠した古史羅の骨の研究そして監視のため海軍が管理していた。
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