芹沢亀吉
2024-09-07 01:06:07
257331文字
Public キングギドラ
 

巨神聖戦記

2020年6月11日にTwitterに投稿した暴虐な軍国主義者、楠木武が恥をかく物語の通算11話目の加筆修正版をPrivatter+に投稿。キングギドラが主人公を担いゴジラ、モスラ、ラドンも大活躍。残忍描写濃い目なので閲覧注意。菊タブー?何それ?


「あの伝説の戦闘機乗りの指揮下で戦えるのは光栄の極みであります!」

「既に陸上部隊もメキシコに向かっております!あのふざけた3機に我々アメリカ軍の底力を思う存分味わわせてやりましょう!」

 中東を何度も空爆し勲章も授与されているホイットモアはアメリカ軍を無敵と信じていた分3機に完敗した屈辱感が大きい。鏡に顔を映し自己陶酔する文字通りのナルシストだけに、その顔に大きな火傷を負わせたという意味でも3機を憎悪している。

「あの3機は絶対ぶっ潰す!俺の顔と誇りに傷つけた落とし前をきっちりとつけさせてやるからな!」

 ホイットモアは自身に重傷を負わせた3機をひたすら憎悪する一方、中東を何度も空爆し膨大な数の生命を奪った上生存者達も今の自分と同じような姿、あるいはもっと悲惨な姿にした自分自身の行いに関しては何一つ後悔せず反省も皆無。アメリカこそ正義という思い込みが強過ぎるが故に、そのアメリカの戦争による他国の膨大な犠牲を全く省みないのだ。

 程なくしてメキシコ海軍のアレンデ級フリゲート艦2隻並びにMBB Bo 105ヘリコプター3機が到着した。

「ようこそ、空母ジョージ・ブッシュへ。大勢の部下達を見捨ててトンズラした君の勇敢さを他のメキシコ人も誇りに思うだろうよ。」

「今度余計なこと言うと口を縫い合わすぞ。」

 ホイットモアの無礼な挨拶にヘリから降りたばかりのアルベルト・エンリケス海軍少佐が立腹した一方、実のところ図星だったりする。

「軽いジョークに目くじら立ててもらっては困るなぁ。これだからメキシコ人は。まあとにかく我が軍に合流してくれて礼を言う。」

 国境に壁を作りその建造費用を要求等最近のアメリカ政府のメキシコに対する横暴さは目に余り、エンリケス自身アメリカの横暴な身勝手さに心底うんざりしている身ながら今はアメリカ軍残党に恩を売っておくべきと考え合流を決意したばかり。しかしホイットモアの無礼かつ差別的な言動を目の当たりにし、合流は間違いだったのではないかと早くも後悔の念が胸の奥をじわじわ蝕む。

「ホイットモア大尉、ご覧の通りメキシコ軍の兵力などたかが知れています。そんな連中と合流する必要があったのでしょうか?」

「オニール君、邪悪な敵相手に人々が国境や立場を超え結束し立ち向かうのは美しいドラマ性があるじゃないか。こんな顔になった俺が再び英雄として輝くことが出来る機会を逃すわけにはいかない。何、メキシコ軍の連中も弾除けぐらいにはなってくれるさ。」

 敬愛するホイットモアの邪悪な本性を知ってもニック・オニール海軍軍曹は幻滅するどころか大喜び。この海軍軍曹もメキシコ人を見下す差別主義思考の持ち主という点はホイットモアと全く同じ。

 空母艦内の管制室に入ったホイットモアは突然舌打ちした。

「まさか貴様があの3機の居場所を教えてくれるとはな。一体どういう風の吹き回しだ?」

 画面の中の初老の男は忌々しげな表情を浮かべるホイットモアを直視し不敵な笑みを浮かべている。

 和製ヴィジュアル系ロックバンドの祖、ZERO-NIPPONによる日本武道館ライブがワシントンD.C.陥落を祝う形に急遽変更と、現地にて日本軍が凄惨な大虐殺を繰り広げる中花電車を走行させ南京陥落を祝っていた頃と東京は何一つ変わらない。ドラム担当兼グループ結成時以来の中心人物YASUSHIがマイクを握った。

「20年以上前、僕は仲間の死もあり落ち込んでいましたが、当時の天皇陛下、今の上皇陛下の即位10周年を祝う式典でピアノ演奏を行い精神的に救われました。そして今、上皇陛下の御父上、現陛下のご祖父の夢である大東亜共栄圏の実現に向け、日本は偉大なる一歩を踏み出したのです。僕はそんな日本を誇りに思い、そして皆様と喜びを共有したいと思います。」