芹沢亀吉
2024-09-07 01:06:07
257331文字
Public キングギドラ
 

巨神聖戦記

2020年6月11日にTwitterに投稿した暴虐な軍国主義者、楠木武が恥をかく物語の通算11話目の加筆修正版をPrivatter+に投稿。キングギドラが主人公を担いゴジラ、モスラ、ラドンも大活躍。残忍描写濃い目なので閲覧注意。菊タブー?何それ?


 操縦室中央に浮かぶ立体映像はあのMOGERAであり、マッハ50即ち時速61200km以上の速度で宇宙空間を飛行し続け実に20年以上。何を隠そうマミーロワを拉致したUFOこそ数世紀前ラゴモ人達が打ち上げた無人機に他ならず、彼女がその残骸を解析して得た技術を駆使し製造したMOGERAが元の無人機と酷似した信号を発するのは必然と言える。

「確かに違う。機体の素材は無人機のものとほぼ同じなのはスキャンで確定したが、この形状は明らかに別の星のもの。こちらが信号を送っても返事無し、即ち我々と話し合うつもりは無いということだから、やることは一つ、攻撃開始だ。」

 葉巻型UFOは機体側面の光線砲をMOGERAに向け一斉に砲撃した。久々の戦闘に高揚しているクルー達は戦争により惑星ラゴモ自体を死の星に変えたことへの反省はまるで無いようだ。砲撃はMOGERAの全身に命中したものの大した効果は見られない。

「何故だ、何故効かない?あの機体の素材は我々のものとほぼ同一の筈。何故我々の攻撃が効かない?」

 葉巻型UFOは移動及び冷凍睡眠装置の維持に機体のエネルギーの大半を費やし、残りのエネルギーを光線砲に使ったところで大した威力にならないのは当たり前。科学技術に関しては地球人を遥かに上回っているとはいえ、この軽率さなら野放図な戦争と環境破壊により自分達が暮らす惑星ラゴモを死の星に変えたのも当然だと頷ける。

「機体損傷度0.018%。反撃開始。プラズマレーザー光線発射。」

 宇宙空間飛行中に無機質なAIに成り果てたズメイが指令を発し、MOGERAは両目からプラズマレーザー光線を撃つ。その光線の直撃により葉巻型UFOが大破しクルー達が次々と宇宙空間に放り出されていく。レーザー核融合炉が生成するエネルギー量は何と宇宙空間飛行200年分、従って20年以上宇宙飛行してもプラズマレーザー光線の威力は全く低下していない。

「敵艦戦闘不能。制圧開始。」

 MOGERAはドリルを回転させ葉巻型UFOの機体側面に大穴を開けた。数世紀前惑星ラゴモから発った無人機がマミーロワを拉致した途端に故障し墜落した結果、彼女は並外れた科学技術力を会得しMOGERA並びにズメイを完成させラゴモ人達のUFOを制圧する事態に至ったのだ。生体実験に使うため他の星の知的生命体を拉致する非道な行いの報いと言えばそれまでかもしれないが。

「ロケットエンジン換装並びにエネルギー吸収ケーブル装備完了。」

 葉巻型UFO機内の作業用ロボット達はあっという間にズメイに制御を奪われ、たった今開いた大穴からMOGERAの機体に移動し瞬く間に改造作業を終えている。改造後のMOGERAの宇宙空間飛行速度は秒速210000km、即ち亜光速。ズメイは宇宙空間を飛行中に自己成長を続け、その科学技術はラゴモ人達が到達し得なかった速さの境地に到達したのである。

「エネルギー吸収並びに敵艦抹消完了。プラズマロケットエンジン起動。」

 腹部の砲台からプラズマメーサー光線を撃ち葉巻型UFOを消滅させ、亜光速移動を開始したMOGERA。エネルギー吸収ケーブルによりUFOからエネルギーを奪った際死亡した冷凍睡眠状態のラゴモ人達が皆塵と化したあたり、高威力のプラズマメーサー砲を開発とエクシフ製AI並みの性能にまで成長したズメイによりMOGERAの破壊が一層残忍になったのは明白だろう。

 巨大隕石に姿を変え宇宙空間を移動するキングギドラの速度は秒速300000km即ち光速と、改造強化後のMOGERAの宇宙空間飛行速度をも凌ぐ。エイリアンを超巨大母船もろとも滅ぼしたこの巨神の行き先には一体何が待っているのだろうか。

 ホイットモアらアメリカ軍残党達はメキシコ湾を突き進む原子力空母ジョージ・H・W・ブッシュの艦内にいて、アメリカ国内を滅茶苦茶にしたあの3機がメキシコシティにいるとの情報を得ていた。

「我々はもう一度独立のために戦う。必ず勝利の星条旗を掲げよう。我々は決して大人しく死の闇に消えたりはしない!戦わずして死にはしない!」

 左頬が焼け焦げ左耳も半分無いホイットモアが熱弁を振るうと、アメリカ軍残党達は皆涙を流し結束を誓う。