芹沢亀吉
2024-09-07 01:06:07
257331文字
Public キングギドラ
 

巨神聖戦記

2020年6月11日にTwitterに投稿した暴虐な軍国主義者、楠木武が恥をかく物語の通算11話目の加筆修正版をPrivatter+に投稿。キングギドラが主人公を担いゴジラ、モスラ、ラドンも大活躍。残忍描写濃い目なので閲覧注意。菊タブー?何それ?


「そんなことは絶対あり得ない!電子計算機の計算では制御装置の起動で怪物0を制御可能と表示されていた筈だ!」

 突然地底都市全体が大きく揺れた。キングギドラの左の首が地表から文字通り首を突っ込んできたのだ。物珍しげに地底都市を見回す左の首はX星人共の銃撃にも全く動じない。続けて中央の首並びに右の首も地表から突っ込んできた。周囲を見回す左の首とは違い、右の首は目を殺気立たせ銃撃してくるX星人共を睨む。

「こうなったら怪物Xに怪物0を始末させるしかない!直ちに怪物Xの封印を解け!」

 X星人共が巨大な金属扉を開くと中にいたのは鎖により全身を束縛されている怪物Xである。怪人めいた細身の体型の怪物Xは黒い皮膚を白骨状の外骨格が覆い両肩の外骨格は頭蓋骨を縦に二等分したような形状、そして両肩のものを含め赤く光る眼が何とも不気味。鎖を外された怪物Xはキングギドラに素早く跳びかかり、回転しながら2本の尾を右の首に打ち付ける。

「統制官、怪物Xが怪物0を追い払いました。我々の支配を拒んだ怪物0に死の制裁を加えてやりましょう。」

「電子計算機の計算で怪物Xの勝率100%と出ているから怪物0に勝ち目は無い。怪物0も怪物X同様に制御装置の支配を受け入れていればここで死ぬこともなかったのに愚かなものよ。それに文明力で我々に大きく劣る地球人の制圧は怪物Xだけで100%可能と電子計算機の計算で出ている。つまり怪物0が反逆し先発隊を全滅させたところで我々の移住計画に支障は無いということだ。」

 キングギドラが穴から3本の首を素早く抜いたのは岩盤に首を突っ込んだままでは戦えないとの中央の首の判断に基づく。直後に怪物Xがその穴を抉りながら岩盤を割り地表へと出てきた。荒涼としたX星の地表にて対峙するキングギドラと怪物X、一方は制御装置による支配を断固として拒み、もう一方は制御装置の操り人形だ。

 怪物Xは先程同様機敏に動きキングギドラに跳びかかるも左の翼に殴打された。確かに怪物Xは身軽とはいえ、跳躍中は無防備になる隙を突かれたのだ。地表に激突した怪物Xは間髪入れずに起き上がり赤く光る眼から雷撃を放つ。その雷撃が直撃した途端にキングギドラの巨体がよろけたのだから、威力はなかなかのもの。

 体勢を立て直したキングギドラは反撃のため各首が一斉に引力光線を吐く。引力光線が直撃し仰向けに転倒した怪物Xはまたもや素早く起き上がり、今度は跳躍せず地面を駆け突進してきた。ここで接近戦も一興と考えたキングギドラは各首が素早く怪物Xの身体に噛みつき遠くへと放り投げ、怪物Xが跳躍したらまた叩き落とされると考えた操り主達の上を行く。

 キングギドラが吐く引力光線と怪物Xが放つ雷撃が激突し数㎞にわたる大爆発を発生させた。キングギドラが両翼の棘を素早く地表に食い込ませ爆風に耐え抜いたのに対し、細身かつ高重心な怪物Xは爆風により吹っ飛び瓦礫の中だ。怪物Xは意識を失ったのか瓦礫に埋もれたまま微動だにせず、再び地底都市に狙いを定めたキングギドラは各首が地下のX星人共を睨む。

「勝つのは我々だ!電子計算機の計算では怪物0は100%銃殺可能と出ているからな!」

「銃撃が全く効かないだと!?電子計算機の計算では10回の銃撃で怪物0は死ぬ筈なのに!」

 この期に及んでまだコンピューター頼みのX星人に追い討ちをかけるかのようにそのコンピューターが停止し地底都市を暗闇が覆う。キングギドラの各首が電力源に噛みつき電力を吸い尽くしたため地下都市全域が停電したのだ。最早コンピューターに頼れないX星人は暗闇の中無造作に銃撃し同士討ちを多発させた上、暗闇でも目が見えるキングギドラの各首が吐く引力光線の餌食になっていく。

「統制官!金星から移住して以来電子計算機の計算に従い続けてきましたが、これまでのようです!怪物0が我々の文明を0にするのが無念です!」

「我々は脱出する!未来に向けて脱出する!まだ見ぬ未来に向かってな!」

 統制官は自爆装置を起爆させ地底都市全域を吹き飛ばしたにも拘らず、直後に瓦礫の中から姿を現したキングギドラは全く負傷していない。制御装置によりキングギドラを操るのに失敗し自分達が滅ぼされた上キングギドラを道連れにするのも失敗と、結局X星人は最後の最後まで計算違いを繰り返してしまった。X星人共の辞書には反省という単語が載っていないのだろうか。


 X星の文明を滅ぼすキングギドラ。地球人の比ではない高度な文明を有し地球侵略を迅速に進めるためキングギドラを操り兵器利用を目論むX星人ではあるものの、巨神即ち人智を超えた存在を制御装置の支配下に置き意のままに操る発想自体が無謀の極み。