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芹沢亀吉
2024-09-07 01:06:07
257331文字
Public
キングギドラ
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巨神聖戦記
2020年6月11日にTwitterに投稿した暴虐な軍国主義者、楠木武が恥をかく物語の通算11話目の加筆修正版をPrivatter+に投稿。キングギドラが主人公を担いゴジラ、モスラ、ラドンも大活躍。残忍描写濃い目なので閲覧注意。菊タブー?何それ?
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一ノ瀬達を背中に乗せ飛翔し続けていたモスラがある場所に着地した。ペロはモスラの背中から真っ先に降りて楽しそうに走り回っている。一ノ瀬がスマートフォンの画像をチェン姉妹に見せているとマリアが驚いた表情で話しかけてきた。
「間違いありません、これは私の息子、パウル・ヴォルタースです。一ノ瀬さん、この画像はどちらで?」
マリアの両目に大粒の涙が浮かぶ。息子は生きているという自身の思いが正しかったと漸く判明したのだから無理もない。
「以前アラン・ジョナという人から送られて来ました。そのアラン・ジョナ曰く、彼は金星人で日本政府を陰で操り暴走させ、世界中が大混乱に陥った隙に地球征服を企てているとのことです。自衛隊がアメリカ侵攻時に使用した奇妙な兵器も全部金星人が製造したものと聞いています。」
一ノ瀬の返答にマリアは愕然とした。息子として育てたパウルがそんな恐ろしいことを企てているとは信じたくないからだ。すると今にも号泣しそうな表情のマリアにリンが優しく語りかけた。
「ここでモスラと一緒に暮らす金星人さん達によりますと、彼らは今でも帝国再興のため暗躍していて記憶を電子化し保存する技術を持ち、記憶を脳内に移植されるとその記憶に沿った人格が生まれるとのことです。息子さんも別人の記憶を移植され別の人格に支配されたのかもしれません。とはいえ息子さんがマリア先生との生活で培った記憶と人格はまだ消えてはいない筈です。」
「では、何かのきっかけで元に戻ることもあるかもしれないということですか?」
すがるような眼差しを向けるマリアに対し、リンは頷く以外に無い。
壁崩壊後、マリアが苦難を承知で様々な国を渡り歩いたのは、パウルに様々な文化を、そして自然の多様性を教えるため。多忙でも親子2人で過ごす時間を大切にするマリアの方針もありパウルは純真な青年に成長し、ハーバード大学に進学し海洋生物学を学ぶ秀才でもあった。しかし海洋調査中のパウルが偶然エレボスに接近し、この親子から幸せな時間が奪われてしまったのだ。
パウルが死亡したと聞かされ嘆き悲しむマリアを慰めたリンは彼女の教え子。リンは姉と共に調べていたモスラの伝承についてマリアに詳しく話し、6年の調査を経て雲南省の密林にてモスラの孵化や羽化に立ち会うことになったのだ。イエローストーンにて生まれた個体も親から記憶を継承しているため2人を知っていて、アイリーン、一ノ瀬、そしてペロの救出も快諾済み。
「ごめんなさい、リンさん。貴方には慰められてばかりで。」
「幼い時分をアメリカで過ごし、アジア人であることで差別され続けた私達姉妹の力になってくれたのはマリア先生です。私はただ恩返ししているだけですよ。」
「マリア先生になかなか会えなかった私の分までリンが恩返ししてくれていると聞いて感激です。長年ご一緒だったマリア先生はもうお気付きでしょうが、リンは私よりずっと優秀なんですよ。」
姉アイリーンに褒められた途端に赤面し恥ずかしそうに俯くリンの姿はいつぞや一ノ瀬にそっくり。リンと会うのは今回が初とはいえ、一ノ瀬は姉同様彼女とも親友になれそうだと思った。
一ノ瀬達のやり取りを眺めるモスラは憂鬱そうな様子。そんなモスラをペロが物言いたげな目で凝視している。一ノ瀬が号泣した時も慰めようと一生懸命になっていたのを踏まえると、ペロには相手の悲しみを察知し慰めようとする心優しさがあるようだ。なお一ノ瀬を号泣させた門長も元凶の天皇清仁も既にこの世にいないことを彼女はまだ知らない。
ゴジラは重大な脅威が地球に潜んでいるのを本能的に察知していた。そしてキングギドラという難敵相手にモスラと共に挑み両者共に倒されてしまうとその重大な脅威に対応出来なくなるため、モスラの参戦を強く拒絶していたのである。霊体と化しゴジラと融合した親からも参戦を強く拒絶され、モスラは泣く泣く参戦を思いとどまった。
その重大な脅威であるホシェル達金星人は深海都市エレボスにて出撃準備を進めている。ホシェル並びにヨヴェルの目の前の大画面が大映しにしているのはあの皇居の成れの果て。
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