芹沢亀吉
2024-09-07 01:06:07
257331文字
Public キングギドラ
 

巨神聖戦記

2020年6月11日にTwitterに投稿した暴虐な軍国主義者、楠木武が恥をかく物語の通算11話目の加筆修正版をPrivatter+に投稿。キングギドラが主人公を担いゴジラ、モスラ、ラドンも大活躍。残忍描写濃い目なので閲覧注意。菊タブー?何それ?


最終章 消滅


 意識が戻ったばかりのホシェルはヨヴェルに攻撃の指揮を委ね、暫し休憩を取ることに。

「もっとだ!もっと撃て!暴悪龍が灰になるまで撃ち続けろ!」

 部下達にキングギドラへの攻撃を命じるヨヴェルは両目に涙が溢れ、声も震えている。インドラの全身を覆う頑丈なバリアはもう無いだけに、元々キングギドラへの恐怖心が強いヨヴェルはこのままではやられるという危機感に駆られ必死なのだ。インドラの全身から放たれた夥しい光線砲はキングギドラの全身に命中し凄まじい轟音を上げ続けている。

「暴悪龍め!バリアを突破したからといって調子に乗るな!我々金星人の底力を、インドラの底力を貴様に見せてやる!」

 両目の涙を拭ったヨヴェルは不安に駆られる部下達を鼓舞するため虚勢を張るのが精一杯だ。

「ルクス様、バリアなど無くてもインドラは十分戦えます!この金星帝国の英知の結晶があんな暴悪龍になど敗れはしません!」

 不安げな表情のホシェルを懸命に鼓舞するのは、不安で心が折れそうなヨヴェル自身を鼓舞しているようにも見える。

 爆炎の中から甲高い鳴き声が響き、飛び出してきた引力光線は爆炎全体を引き裂く勢いだ。引力光線が3発とも機体に直撃したインドラは再び機能停止し背後に吹き飛ばされ、ホテル椿山荘の敷地内に仰向けに倒れ込む。凄まじい爆炎により視界が遮られていたにも拘らず、キングギドラの各首が引力光線を吐く際の照準は極めて正確だ。

「ヨヴェル、ケガは無いか?」

「私は大丈夫です。ルクス様、今回は意識を失わずに済み何よりです。」

「ああ、そう何度も意識を失ってはいられない。頭痛だってもう治ったよ。オッケーVENUS、インドラをすぐに復旧してほしい。」

 ホシェルの指令を受けたVENUSは即座に機能を復旧させ、飛行用ジェット噴射を活用しインドラの機体を起き上がらせた。

「ヨヴェルよ、AIというのも捨てたものではないな。VENUSの手際の良さには私も感服した。」

「あの電子計算機崇拝連中のように全面服従するのではなく、我々の至らない部分を補足してもらう形で使えばコンピューターは良い仕事をしてくれます。一度目の復旧で作業工程を学習したVENUSのお陰で復旧速度が上がりました。」

 ヨヴェルは自身が中心となって製造開発したVENUSをホシェルに褒められ得意げとはいえ、これでいい気になった金星人達がAIへの依存を強めれば結局X星人と同じくコンピューターに全面服従することになりかねない。

 一方キングギドラは引力光線を吐くのを止め、両翼を前脚代わりにして疾走し始めた。全身にインドラが撃つ光線が直撃したキングギドラではあるものの、この執拗な砲撃は接近戦を阻止するためであること、そして今接近戦に持ち込めば優位に立てることに気付いたこの三頭龍は全く怯まない。ホシェルに褒められ得意げになっていたヨヴェルの表情が焦りの色により覆われていく。

「ルクス様、暴悪龍を足止め出来ません!」

「このインドラは接近戦が苦手だ。だから何としてでも暴悪龍を接近戦に持ち込ませてはならない。撃ち続けろ、撃ち続けるんだ。」

 自身が操る雷を全身に浴びた上ジプシーの原子炉のエネルギーを奪い強大化が著しいキングギドラは最早インドラの集中砲火を浴びても全く負傷しなくなり、一斉砲撃をものともせず突き進む。結局キングギドラはインドラの目の前に辿り着き、各首が機体に頭突きする等接近戦を開始した。右の首に至ってはインドラの左側に直接嚙み付く激しさだ。

「暴悪龍め!この私の、金星帝国宰相の最高傑作インドラを貴様ごときに壊されてたまるか!振り払ってやる!」


 執拗な一斉砲撃に怯むことなくインドラ相手に接近戦を開始したキングギドラ。どうやらキングギドラは接近戦が苦手というインドラの弱点に気付いたようだ。何としてでもキングギドラとの接近戦を避けたいホシェル・ルクスら金星人の思惑は脆くも崩れ去った。