芹沢亀吉
2024-09-07 01:06:07
257331文字
Public キングギドラ
 

巨神聖戦記

2020年6月11日にTwitterに投稿した暴虐な軍国主義者、楠木武が恥をかく物語の通算11話目の加筆修正版をPrivatter+に投稿。キングギドラが主人公を担いゴジラ、モスラ、ラドンも大活躍。残忍描写濃い目なので閲覧注意。菊タブー?何それ?


 巨大化し過ぎたのが祟り暴君は一度転倒するとなかなか起き上がれない。何とか起き上がろうともがく暴君の右脇腹にキングギドラが操る雷が直撃し、10億ボルトという凄まじい高電圧により一点を狙われたため電磁シールドに大穴が開いた。間髪入れずに電磁シールドの大穴に群がった翼竜型セルヴァムが暴君の身体に一斉に噛みつき、ワーム型セルヴァムも同じく大穴に群がり暴君を襲う。

 セルヴァムに噛みつかれると普通に負傷と、暴君は同一の細胞を持つ存在の攻撃には弱い模様。再びキングギドラは雷を落とし、今度は背中を覆う電磁シールドに大穴を開けた。更に多量の電磁波を帯びている背中の器官が電磁シールド生成のための増幅機関であることを見抜き、引力光線を撃ち込み破砕。するとみるみるうちに暴君の全身の電磁シールドが消えていく。

 電磁シールドを失った暴君の全身をセルヴァムの群れが容赦なく喰い荒らす。植物由来だけに並外れた再生能力を持つ暴君もこの状況では再生する暇など無い。漸く起き上がった暴君は重力波による分子振動により5000℃超の高熱を発散しフィリウスの死体もろとも周囲のセルヴァムの群れを消滅させたとはいえ、既に全身傷だらけ。すかさずキングギドラの各首が引力光線を吐いた。

 暴君は植物由来だけに骨格が存在せず、何故か全身を構成する繊維は金属成分を多く含有し全身に帯びる強い電磁波の発生源となっている。ところがキングギドラの各首が吐いた引力光線の直撃時にその電磁波が暴走し、物体の分子構造を乱す引力光線の性質を増幅させたため暴君の全身に無数の亀裂が入った。頭に来ている暴君は上空のキングギドラを睨み攻撃態勢に入る。

 突然全身の亀裂から多量のエネルギーが漏れ出し、暴君の身体そのものが大爆発により消し飛んだ。相手を潰すことに夢中になり過ぎて墓穴を掘り文字通り自滅、自分こそ最強と思い上がる愚かで傲慢な暴君にはこのような末路が実によく似合う。

 暴君が爆死した途端に生き残っていたセルヴァムの群れが一斉に死亡し、地球全体を覆う暴君と同一の細胞を持つ植物も瞬く間に全て枯れ風化し始めた。本体である暴君の滅亡に伴い分身も全て滅び去ったのだ。今現在の地球を見れば暴君により一度破壊された地球上の生物多様性がその暴君の滅亡を契機に復活したのは自明。

 例の巨獣といい、巨大不明生物といい、植物由来の暴君といいゴジラの偽物は地球全体の生態系に深刻な悪影響を及ぼす大量発生がお好きのようだ。本物のゴジラに瞬殺され大量発生自体が不発に終わった例の巨獣並びに巨大不明生物とは違い、暴君は分身を大量発生させ地球全体の生態系を滅茶苦茶にすることに「成功」したとはいえ、結局キングギドラにより根絶されたのである。

 着地したキングギドラの目の前には巨大なクレーターが広がり、暴君は最早跡形も無い。キングギドラの左の首が徐々に風化していくセルヴァムの死骸の山を悲しげに眺めているものの、セルヴァムも地球上の生態系を滅茶苦茶にした暴君の共犯者だ。共犯者に同情は無用と左の首を叱った中央の首は右の首に次の星に行く旨を伝え、直後にキングギドラは飛翔し大気圏外へと消えていく。

 この時キングギドラと入れ違いで地球に飛来した機体こそミレニアンの巨大UFOに他ならず、光を動力にしている機体が到着時に深海に没したため深海探査艇「しんかい6500」の光に照らされるまでの6600万年間この宇宙生命体は休眠することに。

「何だったんだ、あれは?三頭龍とゴジラみたいなデカいのが戦っていた。って、痛い!痛い!痛い!助けてくれぇー!」

 強い痛みを感じ目を覚ました榊の全身をドブネズミが齧っている。キングギドラの下僕と化したセルヴァムが植物由来の暴君の全身を喰い荒らすという先程まで榊が見ていた夢と同じ構図だ。榊が見た夢は6600万年前の地球で実際に起こった出来事であると同時に、自分自身にこれから起こることを告げる予知夢だったのである。

「これじゃ夢の中と同じじゃないか!ウギャーッ!」

 突然のたうち回り叫び声を上げる榊にドブネズミ達は驚き、一斉に逃げ出した。雑食性とはいえドブネズミは小動物を捕食することはあっても生きたヒトを襲うことはまず無く、意識の無い榊はドブネズミ達から死体と見做されていたのだ。

「ドブネズミ共!一昨日来やがれ!」

 途端にコバが後頭部にM4A1の銃口を突き付けていることに気付き、榊の顔から血の気が引いていく。

「貴様は我々エイプから逃げることが出来なかった。終わりだ。」