芹沢亀吉
2024-09-07 01:06:07
257331文字
Public キングギドラ
 

巨神聖戦記

2020年6月11日にTwitterに投稿した暴虐な軍国主義者、楠木武が恥をかく物語の通算11話目の加筆修正版をPrivatter+に投稿。キングギドラが主人公を担いゴジラ、モスラ、ラドンも大活躍。残忍描写濃い目なので閲覧注意。菊タブー?何それ?


 翌日、宮中に参内した門長以下閣僚達に例の集団が付き従う。

「門長、これが昨日例の生首を持って官邸に現れた集団か。まるで金色の遮光器土偶が歩いているかのようだ。」

 困惑する天皇清仁の目の前でその集団の格好が金色の宇宙服から銀色のライダースーツ状の服装に変化した。その上集団の長と思しき長身の男性が腰のベルトのボタンを押し一瞬で姿が消え、今上天皇ら皇族共は勿論侍従達も皆騒然としている。門長が大画面にリモコンを向けスイッチを入れると、何とその大画面の中に消えたばかりの男が。

「これは宮内庁内部のライブ映像ではないか!い、今朕の目の前にいた男が、な、何故そこにいる?ち、朕は夢を見ているのか?」

 大画面の中の男が困惑する清仁ら皇族に向け両手を振った途端に門長の左隣に瞬間移動したものだから、ざわついていた人達は最早発する言葉が見つからない。

「陛下、彼らは金星人でして約10000年間地球で密かに暮らしていたそうです。金星人といっても私達地球人と同じホモ・サピエンス系種族です。そして今消えて戻った男が金星人達のリーダー、ホシェル・ルクスでございます。」

「私、ホシェル・ルクスをはじめとする金星人一同、天皇陛下のご尊顔を拝し奉り恐悦至極でございます。我ら金星人一同、陛下がご即位なされたと伺い参上した次第です。」

 門長に紹介された金星人集団の長ホシェル・ルクスは爽やかな笑顔を浮かべ、流暢な日本語を使い挨拶した。身長190cm近いこの金星人の一礼は実に恭しい。ホシェルをはじめ金星人集団全員が金髪碧眼の所謂コーカソイド系北方人種に酷似し、得体の知れない輩が来たと内心怯えていた清仁は安堵し、また自らの威光が金星人達にも通用すると思い増長した。

「そなた達、朕に献上したいものがあると聞いたが申してみよ。」

「はい、陛下にこの世界を献上したいとの思いで馳せ参じました。」

「この世界とな。それはまた随分と大層な献上品ではないか。」

「私共は大和民族の偉大さに、天皇陛下の真摯さに心打たれ、八紘一宇の実現のため尽力したいと考えております。手始めに2発も原爆を落としてきた上に憲法を押し付けてきたあの国への報復です。ご安心下さいませ、私共の手にかかればあの国は短時間で落とせます。あの国だけではございません。世界中がこの日本に、天皇陛下にひれ伏す日はもうすぐそこです。」

 ホシェルの話を聞くに連れ最初は冗談と思い苦笑していた天皇清仁が少しずつ邪悪な目つきへと、例えるなら標的の銀行を見つけた銀行強盗の目つきへと変わっていく。門長をはじめ閣僚全員がこの今上天皇と同じ邪悪な目つきなのは言うまでも無い。

 皇居を退出したホシェル並びに側近のヨヴェル・マスティマは楠木武陸将の熱烈過ぎる要請に渋々応じ、遊就館を見学中。

「ルクス殿、マスティマ殿、これは金星人であるお二方に大和魂について知ってもらうためのおもてなしだ。お二方は運が良い。現役自衛官の、しかも幹部自衛官で楠木正成公の末裔でもあるこの楠木の案内などまず無いからな。グハハハハ!」

 上官による検閲済みの手紙を展示し特攻隊員が皆自発的に潔く散ったように偽装する等、遊就館の展示は嘘と偏向だらけ。それにしても楠木の笑い声のやかましさ、下品さときたら。

「楠木陸将、アメリカ政府が独立を決定していたフィリピンに日本軍が侵攻し独立を妨害した挙句フィリピン人を大勢殺した展示はどちらでしょうか?丁度カヨコ・アン・パタースン特使が来日中ですのでその展示をホワイトハウスに紹介しようと思いまして。」

「もしもし!正義まさよしか!そっ、それは大変だ!す、すぐに行くぞ!」