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芹沢亀吉
2024-09-07 01:06:07
257331文字
Public
キングギドラ
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巨神聖戦記
2020年6月11日にTwitterに投稿した暴虐な軍国主義者、楠木武が恥をかく物語の通算11話目の加筆修正版をPrivatter+に投稿。キングギドラが主人公を担いゴジラ、モスラ、ラドンも大活躍。残忍描写濃い目なので閲覧注意。菊タブー?何それ?
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第四章 お膳立て
皇居の東庭に群がり、長和殿のベランダに清仁ら皇族共が姿を見せた途端に日章旗を振り「陛下!」と叫ぶ臣民共は教祖の登場に歓喜するカルトの信奉者と何も変わらず、国家が主催し多額の税金を費やしている天皇制は他のどのカルト教団よりも悪質だ。
「俺この前の一般参賀も来たけど、やっぱり天皇陛下は偉大だよ。そんな天皇陛下を頂く俺達日本人も偉大だよ。」
天皇を中心とする日本国の支配層が「天皇が偉大」なるデタラメをでっち上げたのは大多数の市民を支配し続けるため。そのデタラメを真に受け天皇が偉大、その天皇を戴く日本人が偉大などと思い上がる、何とわかりやすい愚考だろうか。
「陛下が即位された時の一般参賀はおばあちゃんの看病で来られなかったけど、陛下はそんな私のためにもう一度一般参賀を開催して下さった。天国に行ったおばあちゃんの分もこの一時を大切にしたい。」
この度清仁が一般参賀を開催したのは、アメリカへの先制攻撃という他国への武力行使を固く禁じた憲法9条に真っ向から違反する日本政府の暴挙への批判を自身の威光により封じる政治的意図に基づき、間違えても祖母の看病により前の一般参賀に来られなかった大学生への配慮などでは無い。天皇制カルトの信奉者共は皇族、特に今上天皇が何をやっても好意的に解釈するものだ。
ベランダという高所から東庭に群がる臣民共を見下ろす天皇清仁の顔をよく見ると薄笑いを浮かべている。
「日本国民の皆様、この度は突然の一般参賀にも拘らず遠路はるばるお越し頂き誠にありがとうございます。皆様もご存知の通り我が祖父の悲願、大東亜共栄圏の夢を挫いた邪悪な白人国家に我が国が正義の鉄槌を下しました。英霊の皆様の無念の思いが漸く解消され、真の世界平和への道が開かれたことに私自身胸が熱くなる思いです。今後とも私は国民の皆様に寄り添いながら憲法に則り、日本国及び日本国民統合の象徴としての務めを果たすことを誓います。」
この後も延々と続く清仁の「おことば」はとどのつまり絵空事の羅列。ありもしない大量破壊兵器を口実にイラクにて市民を大量虐殺等21世紀になってからもアメリカ軍の暴虐さは目に余るとはいえ、アメリカ軍のイラク侵攻を全面支持した件を全く反省しないままアメリカ本土に自衛隊を送り込み市民を大量虐殺した日本に正義などある筈もなく、ましてや憲法9条に背きアメリカ侵攻を推進しておきながら今後とも憲法に則ると宣うのは二枚舌が過ぎる。無論二枚舌でなければ今上天皇など務まらない。
「そうだ!やっぱり日本はアジア解放のために欧米と戦ったんだ!天皇陛下を頂点に戴く日本こそ世界の頂点に君臨するべき国なんだよ!大日本帝国万歳!大東亜共栄圏万歳!天皇陛下万歳!」
などと旭日旗の鉢巻をした男が絶叫しているものの、日本はアジア解放のため欧米と戦ったと言いながら同じ口で日本こそ世界の頂点に君臨するべき、即ち他の国は皆全て日本に支配されるべきと言う矛盾に気付かないのだろうか。
ホシェルは侍従達と共にベランダの出入口付近に控え、臣民共に向かい延々と絵空事を宣う天皇清仁の横顔を冷ややかに眺める。無論一般参賀を終えたばかりの清仁に話しかける時のホシェルはいつも通り愛想笑いを浮かべているが。
「お疲れ様です、陛下。寺内閣下は残念でした。お悔やみ申し上げます。閣下が消息を絶った旨を門長総理からお聞きになられた時の陛下は大層お心を痛められ、お食事が喉を通らなかったと伺っております。そのような陛下の海よりも深いお心は閣下にも必ず届いていることでしょう。改めて陛下を頂点とする大和民族の偉大さを知りました。」
昨晩清仁が「防衛相の代わりはいくらでもいる、夕食を邪魔するな!」と門長に怒鳴り散らしたことなどホシェルは百も承知。天皇清仁は超高度な科学技術力を持つ金星人集団の長が従う程自分は偉いのだと完全に舞い上がり、ホシェルが自身の発言に込めた皮肉に全く気付いていない。清仁をはじめ日本の上層部が調子に乗り暴走すればする程この金星人にとっては好都合。
「我々金星人の支援あっての戦勝なのにあの現人神気取りは自分達でアメリカを打倒したなどと出鱈目を宣い、昨晩の矢口蘭堂の無礼や楠木武の蛮行が可愛らしく見えるぐらい腹立たしいです。それにしても元々の自分達の予定を放り出して皇居に群がり愚にもつかない現人神気取りの戯言に感涙したり絶叫したり、全く日本国民というのはおめでたいにも程がありますよ。」
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