芹沢亀吉
2024-09-07 01:06:07
257331文字
Public キングギドラ
 

巨神聖戦記

2020年6月11日にTwitterに投稿した暴虐な軍国主義者、楠木武が恥をかく物語の通算11話目の加筆修正版をPrivatter+に投稿。キングギドラが主人公を担いゴジラ、モスラ、ラドンも大活躍。残忍描写濃い目なので閲覧注意。菊タブー?何それ?


「ご覧下さい、モスラが飛び立とうとしています。」

「モスラもマリア先生を心配していたんですよ。さっきからずっと先生を見ていましたし。でも先生はもう大丈夫であることがわかって安心し、今から出発するわけです。」

 飛翔を開始したモスラは2人の頭上を旋回し、そのまま東方向に飛んで行った。

「マハラァ♪マハラモスラァ♪(マハラァ♪マハラモスラァ♪)タァマァ♪タァマモスラァ♪(タァマァ♪タァマモスラァ♪)ラァバァン♪グエッララバナァン♪(ラァバァンラァバァン♪グエッララバナァン♪ラァバァンラァバァン♪グエッララバナァン♪)」

 リンとマリアが輪唱しているのはチェン姉妹が発見した遺跡の壁に記されていた太古の歌であり、人智を超えた存在、巨神モスラを讃えるため当時の人々が歌っていたもの。

「モスラはここに帰ってくるのでしょうか?」

「それはわかりません。でも確実に言えるのは、モスラはマリア先生と私を、そしてこの雲南省の人達を敵とは見做していないということです。巨神は皆人類の敵だから滅ぼすべきと主張する人は多いですが、私達はその主張が間違っていることをこの10日間で実証出来ました。今日本で暮らしている姉にもこのことはいつか伝えたいです。さあ、私達も帰りましょう。」

 モスラを見送った2人はテントの片付け等帰る準備を始めた。ちなみに帰り道は地元の人達が案内してくれる。

 巨神ラドンの飛翔速度はマッハ3を超え、飛翔時に発生する高温の熱風は火砕流を彷彿とさせメキシコシティの街並みを容赦無く焼き払う。そんな中ラドンへの総攻撃を敢行したメキシコ軍。メキシコ政府はラドン殲滅に今年の軍事費全てを注ぎ込む覚悟を決めたとか。

「これだけ多量のミサイルや砲弾撃ち込めば炎の悪魔と雖もひとたまりも無い筈だ。よし、見てこいカルロ。」

「こちらカルロ、標的は爆炎に飲み込まれ完全に消滅し、って、うわぁあああっ!」

 いきなり爆炎の中から現れたラドンが哨戒機を撃墜しカルロ・ブルーノ軍曹ら搭乗員は全員あの世行き。メキシコ軍はラドン殲滅のため出動した筈が余りにも相手が悪過ぎたため一方的にやられるばかり。

「おい見ろよ、俺ダイヤモンド手に入れたぜ。勿論タダで、ぐわーっ!」

 混乱に乗じて乱暴狼藉を働くならず者達は略奪に夢中になり過ぎて避難の機を逃し、次々熱風を浴び冥界へと旅立っていく。ラドンに撃墜された哨戒機の残骸が直撃し即死する輩も散見される。

「チーッス、おいら最近髪の色をピンクにしたッス。前の黄緑色より全然イカすッスよ。今日はここメキシコで負け組共の生態を生配信中ッス。日本国内でも働きもせずデモする負け組共がうじゃうじゃいるけど、メキシコ人も大概ゴミッス。タネン大統領がこいつ等締め出すため国境に壁作るのは当然ッスよ。負け組共は全員ガス室送りが妥当だと思うおいらッス。」

 メキシコの人々を愚弄中のこのチャラい男、KATSUOは差別主義者の巣窟として悪名高い動画サイト「ニヤニヤ動画」に軽いノリで社会的弱者を侮辱する動画を多数投稿している愉快犯だ。そもそもデモをはじめとする社会運動が1日8時間労働実現等の成果に繋がったにも拘らず、その成果にタダ乗りしている癖にデモを行う人達を腐すのは全く筋が通らない。

「アメリカも大概クソ国家だけどメキシコはそれ以下ッス。サイバーテロで大打撃受けたのも自業自得ッスね。勿論天皇陛下を戴く日本以外の国が全部クソなのも、おいらがいつもイカしているのも常識ッス。そんなおいらの生配信を毎回聞いてくれている皆がサイコーなのも常識ッスよ。今度のオフ会はここメキシコで開催して、皆で負け組共に石とか爆竹とか投げて盛り上がりたいッス。」

 突然KATSUOの顔面及び脳天に複数の巨大な金属片が深々と突き刺さった。先程ラドンに撃墜された哨戒機の破片である。数秒前まで逃げ惑うメキシコ人達を生配信により晒していた愉快犯KATSUOが今は自らの骸を生配信により晒し続け、この愉快犯の惨めな末路こそ正しい意味での自業自得。