芹沢亀吉
2024-09-07 01:06:07
257331文字
Public キングギドラ
 

巨神聖戦記

2020年6月11日にTwitterに投稿した暴虐な軍国主義者、楠木武が恥をかく物語の通算11話目の加筆修正版をPrivatter+に投稿。キングギドラが主人公を担いゴジラ、モスラ、ラドンも大活躍。残忍描写濃い目なので閲覧注意。菊タブー?何それ?


 インドラが左腕を上下左右に振ってもキングギドラの右の首はその左腕に牙を食い込ませ続け、ヨヴェル自らインドラの右腕の連装光線砲を操作し直接両目を撃っても右の首は負傷も失明もしない。ヨヴェルが攻めあぐねる中、右の首がインドラの左腕を無理矢理へし折った。ちぎれたインドラの左腕の付け根から火花が噴出している。

「レフトアーム破損!」

 インドラが引力光線の直撃により機能停止してもすぐ復旧するのを踏まえ、キングギドラは接近戦に切り換えインドラの機体に物理的打撃を与えることに。そして早くもインドラの右腕をへし折る戦果を挙げた。

「暴悪龍は接近戦が苦手というインドラの弱点を見抜いたか。ならば荷電粒子砲を撃て。」

 ホシェルが指令を発するとインドラは腹部の光線砲台から強大な光弾を放つ。荷電粒子砲は連射に時間がかかる上エネルギー消費が激しく他の武装とは併用出来ない欠点を抱えているとはいえ、20km以上も吹き飛ばされたキングギドラの巨体がその威力の凄まじさを物語る。

「ルクス様、荷電粒子砲は次弾を撃つのに時間がかかるため今接近戦に持ち込まれれば打つ手がありません!インドラの一斉砲撃ではもう暴悪龍を足止め出来ないのですよ!ご覧の通り荷電粒子砲が直撃しても暴悪龍は特に負傷しなかった上、すぐ起き上がりこちらに向かってきましたのでたとえ2発目を撃っても仕留めるのは無理です!」

「それならば最終兵器を使うしかない。あれなら確実に暴悪龍を消滅させられる。」

 進退窮まったホシェルは最終兵器の使用を決意するもVENUS曰く現在のエネルギー残量だと最終兵器を使用するにはプラズマ原子炉からのエネルギー充填に5分必要とのこと。キングギドラが大人しく5分も待ってくれる筈が無く、再び頭痛に悩まされ始めたホシェルにとって二重の意味で頭が痛い状況だ。

 いきなりキングギドラの背中にPAC-3ミサイルが直撃し、空自の残党が操縦するF-15J戦闘機部隊がキングギドラを取り囲み一斉にサイドワインダーを撃ち込む。金星人の兵器の集中砲火を全身に浴びても無傷なキングギドラを空自の残党が倒せる筈無いとはいえ、数にものを言わせた包囲攻撃は足止めの役割を十分果たしている。

「ルクス様、空自の連中は何故我々を攻撃して来ないのでしょうか?」

 ヨヴェルが意外そうな表情を浮かべた一方、ホシェルはすぐに事情を把握し微笑んだ。

「私が直接本心を伝えた唯一の地球人楠木武は先程死亡し、何も知らない空自の連中は暴悪龍と戦う我々金星人を味方と勘違いしている。敵の敵は味方、なる戯言を真に受ける間抜け共のお陰でエネルギー充填は間に合いそうだ。空自様様だよ。」

 キングギドラは両翼から引力光線を放ちF-15J部隊を殲滅したばかりか、音を頼りにPAC-3発射地点を割り出し各首が吐く長射程の引力光線が発射機を正確に狙い撃つ。しかしその隙にエネルギー充填を終えたインドラが真上に飛行しキングギドラに照準を定めた、最終兵器の照準を

「オッケーVENUS、最終兵器で暴悪龍を消滅させて欲しい。」

「標的への座標設定及びエネルギー充填を完了しました。ただちに発射します。」

 インドラの腹部の光線砲台から発射された最終兵器、時空砲は金星人達が製造開発に途方も無い年月を費やしつい最近完成させたばかり。時空の穴を出現させ標的を丸ごと消滅、座標設定により時空の穴の位置も直径も自由自在に調整可能とこの最終兵器の凶悪さはオキシジェン・デストロイヤーの比ではない。真顔のまま照準画面を眺めるホシェルの両目がこれまで以上に冷たい光を宿す。

「暴悪龍よ、10000年前に我が帝国を滅ぼした貴様が報いを受ける時が来た。消滅せよ。」

 時空砲発射により出現した巨大な時空の穴がキングギドラの全身を飲み込み消滅、僅か10秒間の出来事だ。キングギドラ消滅に伴い晴れ間が戻った空に日を貫く白い虹が見えるのは気のせいだろうか。


 凶悪極まりない最終兵器、時空砲を発射するインドラ。時空砲が出現させた巨大な時空の穴によりキングギドラの巨体が一瞬にして消滅した。金星帝国再興を企てる金星人にとっての最大の難敵が跡形も無く消え去った今、新たな金星帝国による侵略の魔の手が地球に迫る。