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芹沢亀吉
2024-09-04 01:16:26
143708文字
Public
菊タブー
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108と108
暴虐なナルシストかつ軍国主義者な楠木武が恥をかく物語の通算108話目。仏教において人間一人が持つ煩悩の数は108とされ今回はその108に焦点を当ててみた。いつも通り特盛の残忍描写に加え今回は性描写も色濃く、18歳未満の方が読むのはお勧め出来ない。
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前述の通り統制官の記憶を脳内に共有している尾崎はその統制官の切り札が何かも当然知っている。
藤崎もまた両目を閉じて精神を研ぎ澄まし、20年間ゴジラが身を潜めていた地割れの奥底に12000年前X星人が襲来した際搭乗していた旧式母艦の機体が埋もれていて、母艦内部の原子炉が壊され中のエネルギーが全部無くなっているのを突き止めた。
「要するに20年前ゴジラはその旧式母艦の原子炉からエネルギーを頂くため地割れの奥底に身を潜めたというわけか。」
「その通りです、隊長、ゴジラは断じて楠木武の裸体に怯え地割れに逃げ込んだのではありません。地割れの奥底に自ら潜り今日に至るまで旧式母艦の原子炉からエネルギーを吸い続けた、そう考えれば青白く輝く筋が走る全身から強い放射線を発する現在の姿も説明がつきます。20年前轟天号を撃破した時点でX星人が再度襲来することに気付き、自己強化を図ったのでしょう。」
当時の楠木が自分の全裸にゴジラが怯えて逃げたと思い込み下品な声を上げ大笑いした一方、ゴジラは楠木など相手にせずX星人の次なる侵攻を見越し自己強化のため地割れの奥底の旧式母艦の原子炉を狙う、前者は108の煩悩を増幅させ超人化し後者は身長が108mとどちらも108という数字に縁があるとはいえ、意識の隔たりの大きさは如何ともし難い。
「私が調べた記録によると2005年以前のゴジラが原発、原潜等を襲い原子炉の核エネルギーを吸収した際はすぐその場を離れていた。でもX星人の旧式母艦内の原子炉から核エネルギーを吸収した際はその場に留まり20年も休眠。ひょっとしたらゴジラは地球外の核エネルギーを身体に馴染ませるのに相当時間がかかった、あるいは完全に馴染ませる前にX星人が侵略を開始し、そのX星人の地位を奪った尾崎も侵略を拡大したから慌てて出てきたのかも。」
一ノ瀬のこの発言を聞き藤崎もジョナも表情が暗くなった。自分達がX星人を挑発したことによりゴジラが旧式母艦から奪った核エネルギーを完全に自分の身体に馴染ませる前に戦いに臨む羽目になったと考えたからだ。
「ジョナさん、志保先輩、そんなに落ち込まないで下さい。あの統制官が友好を装い徐々に地球人を洗脳する司令官のやり方に前々から多大な不満を抱いていたのは尾崎に始末される前の彼の言動を見ればすぐわかります。あの短気で粗暴な性格なら私達が挑発しなくても程なくして司令官を葬り同じことをしていたのは火を見るよりも明らかです。」
「それもそうだ。そもそも地球最強の巨神ゴジラは我々など歯牙にもかけない。我々のせいでまだ奪った核エネルギーを身体に馴染ませきれていないゴジラを戦いに引きずり出してしまったと悔やむこと自体、我々の思惑通りゴジラを動かせたと己惚れるのと表裏一体なのかもしれないな。一ノ瀬さん、貴方の聡明さには本当に頭が下がる思いだよ。」
「私達がエリアGを爆破しゴジラを目覚めさせ尾崎が操るガイガン軍団らへの当て馬に利用したならともかく、ゴジラは自分の意志で氷山を壊しエリアGから出て戦いに身を投じたんだよね。由衣の言う通り私達落ち込む必要なんて無かった。ありがとう、由衣。」
タスマン海を泳ぐゴジラは珊瑚海から来たティアマトと遭遇し、早速放射熱線と猛毒光線が激しくぶつかり合う。威力面では放射熱線がやや優勢と思いきや、ティアマトは素早くゴジラの身体に巻き付きそのまま締め上げた。どうやら猛毒光線はゴジラの気を反らし背後を突くための囮だった模様。
ティアマトの胴体は刃物状の鱗に覆われ、締め上げ攻撃の際敵の身体を傷付ける。深度5400mの深海の水圧に耐える新轟天号の艦体表面を瞬く間に損傷させ、数十回の核攻撃に耐え抜く程頑丈なゴジラも無傷ではいられない、こう記述すればティアマトの鱗の鋭利さがわかるだろうか。
一ノ瀬の推測通りゴジラはまだ旧式母艦から奪った核エネルギーを身体に馴染ませきれていない。地球最強の巨神ゴジラと雖も地球外の核エネルギーを体内に取り込むと身体に馴染ませるのに時間がかかり、90%以上馴染ませるのに20年の休眠を要した。現在ゴジラは20年前とは比べ物にならない多大な力が全身に満ち溢れ、つい先程ティアマトと撃ち合いになった際ティアマト本体の動きを見誤ってしまったことから分かるように、その多大な力を持て余し相手の動きを見定める余裕に乏しい。
「尾崎統制官、どうやらティアマトはこのままゴジラを倒せそうですね。」
「そうだな。大方藤崎ら反政府活動家共はカイザーである俺も操れないゴジラに希望を託したのだろうが、その希望も今から海の藻屑と化す。さあティアマト、そのままゴジラの息の根を止めろ。」
ティアマトがゴジラを締め上げる映像を観ながら、北極圏に生息するティアマトが何故南半球の珊瑚海にいたのかという疑問をふと感じたとはいえゴジラは最期を迎えつつある今些細なことを気にする必要など無いと考え、尾崎はその疑問を脳内から消去した。
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