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芹沢亀吉
2024-09-04 01:16:26
143708文字
Public
菊タブー
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108と108
暴虐なナルシストかつ軍国主義者な楠木武が恥をかく物語の通算108話目。仏教において人間一人が持つ煩悩の数は108とされ今回はその108に焦点を当ててみた。いつも通り特盛の残忍描写に加え今回は性描写も色濃く、18歳未満の方が読むのはお勧め出来ない。
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現在世界中に建てられたどのシン・金精神像も周囲はミイラ化した死体により覆われ、「地球は文明人のもの」と思い上がり続けたい一心からよりにもよって楠木に縋った連中全員がその楠木に精気を吸い尽くされたのは最早自明。文明人の思い上がりは己の視野を狭め、時にはこうやって命を落とす。
「漲る!漲る!漲るぞぉ!グハハハハ!」
夥しい邪念、そして精気を吸いまくった魔物楠木は全身をブクブク膨らませ、地下拷問室を破壊して地上に出た時は何と身長が50.1mに達していた。あれだけ自分をダビデの生まれ変わりだと言っていた楠木ではあるものの、現在その姿は巨人、即ちゴリアテそのもの。先程殆ど毟り取られた口髭が元通り生え揃っているのは己の口髭への執着心が実体化した結果だろうか。
「世界中の諸君!ミケランジェロのダビデ像を遥かに凌ぐ美しき全裸を見ろ!冷たい大理石などではない温かみのある小麦色の肉体美を!巨大化する前からゴジラをビビらせる力があったこの全裸が巨大化し、更なる力を備えた!この楠木こそ地球の帝王だぁ!グハハハハ!」
巨大化しても己の全裸を見せびらかし悦に浸る楠木の露出魔気質は変わらない。「地球の帝王」を自称と自惚れ度合いは巨大化する前の比ではないが。無論巨大化した楠木の体型は巨大化前と同じくブヨブヨな肥満体である。
巨大化した楠木が仁王立ちし大笑いする市ヶ谷一帯の様子は母艦最深部にも映し出され、楠木の弛みきった裸体を目にした藤崎は思わず映像から目を背けた。一応映像に映る楠木の股間は入念にぼかし加工されているが。
「隙あり!」
と言って藤崎に殴りかかる尾崎は顔面にぶん殴られた跡が目立ち、先程とは打って変わり圧倒的に劣勢なのが見て取れる。
殴りかかってきた尾崎をひらりと躱し、逆に尾崎の背部に右肘の一撃をお見舞い、今の藤崎の動きは某伝説のプロボクサー同様「蝶のように舞い蜂のように刺す」という表現がよく似合う。
「ぐはぁ!何故だ!?何故藤崎貴様はこんなにも強い!?さっきは俺があんなに圧倒していたのに!」
仰向けに倒れ込み吐血する尾崎、見ての通り先程とはものの見事に戦況が逆転している。ただ尾崎もよろめきながら起き上がり、まだやる気だ。
「藤崎!この俺の一撃受けてみろ!」
約5m跳び上がり渾身の蹴りを入れようとする尾崎、しかしまたもや藤崎に躱され彼自身が強烈な跳び蹴りを貰う格好に。
「トドメだ!同志の仇を取る!」
うつ伏せ状態になり呻く尾崎の首に蹴りを入れようとしたその刹那、藤崎の頭の中にマンデラの声が鳴り響く。
「藤崎さん、もういいです。貴方は私の死を十分悲しみ、そして怒ってくれました。尾崎なる者は屈辱感に打ちのめされ、もう貴方を叩きのめすことも従えることも出来ません。それに今トドメを刺すと彼は自分が巨神を操れていないことに気付かないまま逝くことになります。それで良いんですか?」
石香炉が聞かせてくれたマンデラの声に藤崎は頷き、呻く尾崎にトドメを刺すのを思いとどまった。
「ゴッ、ゴホッ、ふ、藤崎、もしこれが逆の立場なら、おっ、俺はお前に何の躊躇もせずトドメを刺していたぞ。た、確かに俺は、貴様に敗れた。それは、認めよう。だが俺はまだ巨神達と、ガイガン軍団を従えている。俺を殺さないと止められない。しかし藤崎貴様には俺は殺せないことがたった今判明した。殴り合いではお前の勝ちだが、全体的な勝負では俺の勝ちだ。」
この尾崎の発言に対し藤崎は特に反論はしない。わざわざ反論しなくても遅かれ早かれ尾崎は絶望すると確信しているからだ。
藤崎が尾崎を放置し母艦から退出しようとしたその時、ミュータント兵士が一人慌ただしく駆け込んできた。
「大変です、尾崎統制官!南極でゴジラが目覚めました!」
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