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芹沢亀吉
2024-09-04 01:16:26
143708文字
Public
菊タブー
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108と108
暴虐なナルシストかつ軍国主義者な楠木武が恥をかく物語の通算108話目。仏教において人間一人が持つ煩悩の数は108とされ今回はその108に焦点を当ててみた。いつも通り特盛の残忍描写に加え今回は性描写も色濃く、18歳未満の方が読むのはお勧め出来ない。
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マンデラの言う「彼」は20年前楠木の自作自演に無理矢理付き合わされ結局切り捨てられた軽部を指す。あの後自衛隊を追い出され日本国内に居場所が無くなった軽部はアフリカに渡り、NGO団体の一員として井戸掘り、農業指導等に明け暮れ、少年時代のマンデラをはじめ彼に飢餓の危機を救われた人は数多い。
過労が祟り倒れた軽部は少年マンデラに自分がアフリカに来ることになった経緯を全て話しそのまま他界した。ここまで書けば成長したマンデラが楠木を監視という一歩間違えればその楠木に殺されかねない危険な潜入を買って出た理由は最早自明だろう。ちなみに藤崎は椿山荘内の収蔵庫にてマンデラと遭遇した際、彼は自分と同じジョナの部下だと一ノ瀬に紹介していたりする。
「ほぉ、貴様ミュータントか。」
今の人間離れした俊敏さと怪力ぶりを見て統制官が気付いた通り、マンデラは尾崎並びに藤崎同様ミュータントだ。
「さて諸君は気付いているだろうが、今俺が撃ち殺したこのクソ司令は偽天皇と偽教皇を使い自作自演の銃撃事件を起こし奇跡の復活とやらを地球人に見せようとしていた。ちなみに本物の教皇は射殺され、遺体は完全に溶かされたと聞いているよ。君達地球人には作れない特殊な液体を使ってだ。」
一ノ瀬が本物のグレゴリウス17世の無残な末路を想像し青ざめる中、統制官は話を続ける。
「その奇跡の復活とやらを見せ全地球人を偽天皇に屈服させれば征服が円滑に進むとこのクソ司令は言っていたが、俺はそういう茶番は好かん。だからその茶番をぶち壊してくれた諸君には感謝しているし、あの全裸男をつまみ出してくれた件も礼を言いたい。」
この時統制官に蹴飛ばされた司令官の遺体は頭部が縦に割れ、中から飛び出している正体の頭部が鈍い銀色の輝きを放つ。
「口先だけの感謝の言葉は相手の感情を逆撫でるだけって覚えておいた方がいいよ。司令官の回りくどいやり方が気に入らなくて撃ち殺したなら、回りくどいこと言うのはさっさと止めて本題に入ったら?」
藤崎の歯に衣着せぬ発言に統制官は眉をひそめた。
「人の発言にケチをつけるとは無礼な女だが確かに言っていることは一理ある。では言おう、貴様ら地球人は下僕だ。我々に支配されるためだけに存在している。抵抗しても無駄だ。科学力も軍事力も我々の方が遥かに上、地球人の軍事力では打倒など到底望めない巨神共も今では我々に従順。つまりお前達に勝ち目など無い、フッフフフフ。」
性別違和に苦しみ続けた藤崎を「女」呼ばわりする統制官こそ無礼極まりなく、この物語の地の文に藤崎を指し「彼女」と表記する箇所が一切無いことに既に気付いている読者の方もいるだろう。
「今馬鹿な連中が我々の家の玄関前に来ているから相手をしてくる。画面を切り替えるからお前達もよく見ておくがいい。」
間髪入れずに一ノ瀬らの目の前の大画面の映像が切り替わり、皇居の宮殿東庭に集い母艦にメーサーライフル等を向ける尾崎をはじめミュータント兵士達を映す。母艦の下部から照射された一筋の光が尾崎らの目の前の地面を照らし、統制官並びに側近達が降りてきた。
「ミュータントを集めて作った部隊か。先日ムートー1匹にボロ負けした貴様らに勝ち目があるとでも?」
「数は俺達の方が圧倒的に多い。貴様らX星人の好きにはさせんぞ。」
ニヤニヤ笑いながら高圧的に振る舞う統制官に対し尾崎は強気な態度を崩さない。こんなにも早くミュータント兵士達を母艦の真下に集結させ臨戦態勢と、尾崎もX星人の本性に薄々気付いていた模様。
ここで格闘戦を始めようとした側近達を「待て」と言って引き止め、統制官が不気味に微笑む。
「フフフ、愚かな下僕共、誰が支配者かを思い知れ。」
「う、うわぁああ!」
統制官が右腕を前方に真っ直ぐ伸ばし薬指だけを下に曲げ他の指をピンと伸ばすと、ミュータント兵士達が頭を抱え呻き始めた。
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