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芹沢亀吉
2024-09-04 01:16:26
143708文字
Public
菊タブー
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108と108
暴虐なナルシストかつ軍国主義者な楠木武が恥をかく物語の通算108話目。仏教において人間一人が持つ煩悩の数は108とされ今回はその108に焦点を当ててみた。いつも通り特盛の残忍描写に加え今回は性描写も色濃く、18歳未満の方が読むのはお勧め出来ない。
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今現在義仁は清仁らしき者の出現により己の即位が遠のき怒り心頭、いきなり広池をぶん殴ったのは完全な八つ当たり、察しの良い読者の方ならすぐにわかったことだろう。
「広池貴様さっきからうるさいぞ!俺は今気分が悪いんだ!出ていけ!ここからとっとと出ていけ!消え失せろ!」
先程の楠木の騒音地獄には遠く及ばないとはいえ、癇癪玉を破裂させた義仁の罵声には半泣き顔の広池即ち日本国首相を即退散させる威力。菊タブー故この皇嗣の暴挙は厳重に秘匿され、新聞、雑誌、TV、ネットニュースが報じることはまず無いが。
日本の報道機関は天皇制死守という皇室の意向を忖度し、皇室の体面を傷つけるような出来事は決して報じない。この菊タブーにより皇族共はどのような悪事を働こうと世間から非難される心配をせずに済み、衝動的に妊娠させた侍従を追放、裏人脈を駆使し元総理を暗殺、八つ当たりで現役総理の顔面をぶん殴った上罵倒等何処までも卑劣に、横暴になれる。良心などとうの昔に捨てた皇族共はこれからもTVカメラの前では善人面しつつ陰で悪事を働き続けるのだろう。菊タブーがある限り。
前述の通り楠木も元老の地位を得て以来20年間衝動的殺人、性暴力、収賄等己の悪事を闇に葬り続け、皇族連中同様世間の目を気にせず悪事を働ける特権を有する身と言えよう。総理経験者二人の顔面をザクザク切り刻んだ上晒し首にした一件を見れば、皇族連中同様良心を失っているのは最早自明。菊の御紋を紋章とする皇族共が己の悪事を闇に葬れる特権を菊タブーと呼ぶなら、事あるごとに口髭を自慢する楠木が己の悪事を闇に葬れる特権は髭タブーと呼ぶべきか。
この日以来清仁らしき者は国際社会から「深海5400mから生還した奇跡の帝」、「新轟天号を撃破したティアマトも手出し出来ない聖者」と称えられ、楠木共々「巨神に屈しなかった英雄」扱いされるように。そんな清仁らしき者がX星人との共存を呼び掛ければ当然大勢の人が靡く。
「皆様、国際連合は既にこの時代の実情にそぐわないものになっております。X星人の皆様と共に巨神と戦い地球を取り戻すため宇宙連合に改称するべきかと。」
かつて楠木による自作自演の銃撃事件の舞台となった国連総会にて清仁らしき者が演説する様子はネット上に生配信され、無事和歌山に避難出来た一ノ瀬並びに藤崎もその映像を観ている。
「おかしい、あの清仁みたいな人、何かがおかしい。母さんを捨てた清仁の顔なんて二度と見たくない筈なのに、あの清仁みたいな人の顔ならそれ程苦も無く見れる。そもそも深海でティアマトにドロドロに溶かされ消滅した新轟天号から生身の人間が生還なんてあり得ないよ。」
「顔を見てもそれ程苦にならないのは、あの男が清仁本人ではないと直感的に気付いているからだろうね。由衣の言う通りあの清仁が偽物でX星人とやらの傀儡なら筋は通ってる。」
「今私が言ったことなんて世間からは無視されるか嘲笑されるのは目に見えているけど、志保先輩は信じてくれるんだ。」
「深海で消滅した新轟天号から生身の人間が生還など到底不可能という由衣の主張には何の矛盾も無いからだよ。私は皇室を崇拝しないと自尊心保てない愚か者共と違って清仁がただの人間だと知っているし。」
同じ頃、X星人母艦最深部では筆頭参謀が司令官にあることを訪ねていた。
「あれはそのまま放置してよろしいでしょうか?」
「一体ぐらいなら構わんよ。今丁度地球人達があのゴジラを駆除しようとしているから、我々はお手並みを拝見しようじゃないか。」
今現在司令官の目の前に映し出されているのは、新大阪駅構内にて棒立ち中の巨大不明生物である。
その巨大不明生物の打倒に燃える矢口は大阪府八尾市の八尾空港に向かう機内から緊急指令を発し、新幹線に在来線、そしてコンクリート作業車を多数徴用と元老が持つ権限の濫用に余念がない。八尾空港内に所在する陸自の八尾駐屯地は地球防衛軍発足に伴い八尾基地と改名され、基地内のコンクリート建屋の屋上にいる背広姿の二人は矢口と泉だ。
「泉、何故俺を裏切った?」
唐突過ぎる矢口の発言を受け、泉は眼鏡の奥の両目が泳ぐ。
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