暴虐なナルシストかつ軍国主義者な楠木武が恥をかく物語の通算108話目。仏教において人間一人が持つ煩悩の数は108とされ今回はその108に焦点を当ててみた。いつも通り特盛の残忍描写に加え今回は性描写も色濃く、18歳未満の方が読むのはお勧め出来ない。
「この楠木は何を言っても正しいし、何をやっても正しい!だからわざと間違ったことを言ったりやったりして皆の笑いを取ることが出来ないのだ!汗はかけても恥はかけない男!それがこの楠木だ!他の者がこの楠木と同等の力と地位を得れば自分には欠点が無いなどと思い上がったことを宣うだろうが、この楠木は謙虚故間違ったことが出来ない己の欠点をしっかり自覚しているのだ!」
このくだりを読まれて「いやいやいや!楠木武は今まで散々恥かいただろ!間違ったことが出来ないんじゃなくて単に自分の間違いを認識出来てないだけだろ!」と叫びたくなったなら貴方は正しい。「その通り!汗はかけても恥はかけないのが楠木武の欠点だ!」と思ったなら勝手にそう思え。私はもう知らん。
「さぁて、素晴らしい話を聞かせてやったのだから対価を払ってもらおう。馬田、壁の方を向け。両手を目の前の壁に当て腰をこっちに突き出すんだ。」
やはり楠木はマンデラの引き締まった身体に欲情していたのだ。
言われるがまま腰を突き出すマンデラを襲おうとした楠木ではあるものの、いきなり全身が震えそのまま浴室の床にペタンとへたり込む。
「ど、どういうことだ?何故俺の身体が言うことを聞かない?」
「楠木閣下、もういいですか?入浴が長引くと東京に行くのがその分遅れます。」
「あ、あぁ、そうだな。早く上がって身体を拭こう。早く東京に行き殿下にお会いせねば。」
墜落寸前のヘリから脱出したマンデラの人間離れした動きを目の当たりにしたまさにその時、強い恐怖心が楠木の深層心理に根付いた。全裸のマンデラを後ろから襲おうとした途端にその恐怖心が頭をもたげ、一時的に身体の自由を奪われた楠木は性暴力どころではなくなったのである。楠木本人は自分がマンデラを内心恐れているなどとは死んでも認めないだろうが。
栃木県足利市内の防衛線を容易く打ち破り、巨神ムートーは新潟県から都心までの直線距離約220kmのうち約150kmを踏破したことになる。この時ムートーが約150kmの移動に費やした時間は巨大不明生物が大阪湾から新大阪駅までの約11kmの距離の移動に費やした時間とほぼ同じ。ゴジラ、ティアマト、そして巨大不明生物のように破壊力のある光線を撃つことこそ出来ないとはいえ、ムートーは橙色に発光させた前肢を地面に叩き付け広範囲に電磁パルスを拡散し地球防衛軍のハイテク兵器を悉く無力化する。
ムートーと対峙する地上部隊が敗色濃厚な状況に頭を抱える中、上空からパラシュート部隊が降りてきた。ミュータント兵士達の到着だ。21世紀に入り世界各地で発見された新人類ミュータントは並の人間を凌ぐ身体能力を持ち、地球防衛軍はこの新人類に対巨神戦力としての期待を寄せM機関なる特殊部隊を結成し組織化した。今回初の実戦に臨むミュータント兵士達は黒尽くめの戦闘服を着込み、透明のプロテクターにより胴体並びに両腕両脚を覆う。
「さあ俺達エリート部隊の力を示す時が来たぞ!あのドデカ昆虫を佃煮にしてやれ!世界一公正な判断をする公安をはじめ世界有数の公正大国日本を何としても守り抜けぇ!」
乃木憂助地陸軍中佐が檄を飛ばすや否や、
尾崎真一地陸軍少尉をはじめミュータント兵士らがムートーに向け84mm無反動砲を撃つ。乃木自身はミュータントでは無いものの地球防衛軍の秘密部隊に長年属し数々の暗殺等に従事した実績並びに統率力を軍上層部に買われ、現在は尾崎らが属するM機関第4部隊を率いる。
ところで乃木が「世界一公正な判断をしてくれる」などと持ち上げるのとは裏腹に、生物兵器に転用可能な機器を輸出したと横浜市内の会社役員達に難癖をつけ不当逮捕した上、取調べの際誘導、詐術的発言、恫喝を繰り返すという
公正には程遠い日本の公安の実態が明らかになったのは記憶に新しく、乃木が公安の腐り果てた実態から目を背けているのは最早自明であろう。
「駄目です!無反動砲効果ありません!」
「おのれ、メーサーライフルさえ使えれば!」
乃木の言うメーサーライフルは射撃の際銃身がガトリング銃状に回転するためメーサーバルカンとも呼ばれ、早い話が小型化されたメーサー砲である。メーサーライフルから発射される無数の光弾の威力は無反動砲の比ではなく、対巨神用兵器として最近開発されるもその重量並びに発射時の反動故普通の人間には取り扱いが極めて難しい。そのためミュータント兵士専用の装備としてこの度初の実戦投入と相成った。電磁パルスを放つムートー相手だと全く使えないのが難点だが。
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