暴虐なナルシストかつ軍国主義者な楠木武が恥をかく物語の通算108話目。仏教において人間一人が持つ煩悩の数は108とされ今回はその108に焦点を当ててみた。いつも通り特盛の残忍描写に加え今回は性描写も色濃く、18歳未満の方が読むのはお勧め出来ない。
そこまで言った靖仁の左頬に実父の鉄拳が食い込んだ。
「馬鹿者がぁ!そんなことしたら証拠押さえられ世界中に公開されるぞ!あのテロリスト共には菊タブーなど通用しない!大体お前まだ17なのに女に見境無さすぎる!お前が女をヤる度口封じにどれだけ手間暇かけたと思っているんだ!?」
靖仁が密かに観た18禁サイトの動画を真似して同級生女子を襲ったのは中学卒業を控えた15歳の春、以来この腐れ外道皇族は性暴力を楽しむようになり既に被害者数は20人以上、被害者達は皆性被害に遭った直後に行方不明ないし不慮の死を遂げている。
「痛いよ、パパ。何もぶん殴ること無いじゃないか。そういえばあの姉ちゃんは清仁伯父ちゃんが侍従の女とヤッて生まれたんだよね。つまり俺の従姉。ねぇ、パパ、やっぱりあの姉ちゃんとヤりたい。従姉とやるって昨日の晩観た弟が姉とヤる動画みたいで面白ぉ、おぐぐぐぐ!」
最早靖仁の発言を看過出来なくなり無我夢中で一人息子の首を絞める義仁、その表情のおぞましさは衝動的に泉を殺害した時の矢口のそれに匹敵、あるいはそれ以上か。6年前、義仁は即位を控え浮かれる兄への苛立ちを募らせ、その兄の笑顔を褒めた侍従を衝動的に絞殺していたりする。当然ながらこの殺人は厳重に隠蔽され、急性心不全として処理済み。
ふと胸騒ぎがしたジョナは親鍵を使い寝室の扉を開け思わず息を呑んだ。ふかふかベッドの上に二つの死体が折り重なり、下の靖仁は首筋に手型が濃く残り顔面が鬱血状態、上の義仁は左目に深々と突き刺さった万年筆が痛々しい。靖仁が仰向け、義仁がうつ伏せ状態なのを踏まえると、首を絞められ絶命寸前の一人息子が最後の力を振り絞り実父の左目に万年筆を突き刺したのだろう。
皇位継承資格を有する義仁親子が仲良く冥界に旅立ち皇統は断絶、本来1945年の敗戦直後に解体しておくべきだった皇室が漸く滅び去った。
「一ノ瀬さん、我々は今皇統断絶というある種の歴史的瞬間に立ち会っているようだ。」
「あの靖仁は私の身体狙っていたみたいですけど、こんなに呆気無く逝ってしまうと何だか哀れに見えてきました。」
この場に藤崎がいれば「靖仁は何人も女性を襲った性犯罪者だぞ!クズに同情するな!」と一ノ瀬を叱るかもしれない。その藤崎は赤坂御苑に着いた途端に姿が消え、石香炉から今母艦最深部にいると聞き一ノ瀬もジョナも帰りを待っている最中だが。
さてその母艦最深部の動向を見よう。藤崎に格闘戦を挑むも惨敗し呻いていた尾崎は南極にゴジラ出現との報告を聞き思わず跳ね起きた。
「ゴホッ、ゴホッ、ゴッ、ゴジラが南極に出現!?何を言っている!?ゴジラはつい先日大阪に襲来し核攻撃で消し飛んだ筈だ!」
「尾崎統制官、私も正直信じられません。しかし映像をご覧下さい。あれは間違いなくゴジラです。」
報告に来たミュータント兵士にそう言われ尾崎が観た映像は南極のエリアG一帯に焦点が当てられ、氷山をぶち割り地下から這い出てきて力強く咆哮するゴジラを大映しにしている。その姿は全身に青白く輝く筋が走る点以外20年前と同じであり、特に意味も無く両掌が上向きのまま、走るわけでもないのに踵を浮かせたまま歩く等今は亡き巨大不明生物なら目立った無駄は一切見られない。
途端に藤崎が大笑いした。
「尾崎お前、さっき地球防衛軍が打倒出来たのはゴジラ一体のみとか言ってたけど、結局ゴジラも倒せてなかったね。じゃあそろそろ私帰るから。」
「おい待て、藤崎!誰が帰って良いと言った!?グッ、グワーッ!」
藤崎を追おうとした尾崎の全身をズキンと激痛が襲う。先程藤崎を叩きのめそうとして返り討ちに遭った今の尾崎はその場に立ち続けるのが精一杯、同じカイザーである藤崎を追いかけるなど到底出来ない。
「貴様らあの女を連れ戻せ!これは統制官の命令だぁ!」
尾崎が檄を飛ばしミュータント兵士共が一斉に跳びかかるも、華麗に宙を舞う藤崎の蹴りを浴び全員背後の壁に叩きつけられた。
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