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糸冬いずく
2024-09-16 00:16:00
157796文字
Public
二次創作:キリングミュータント
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キリングミュータント【リブーテッド】
完結、夢主あり、赤羽業、暗殺教室、Paranoia
三日月が爆誕した春、新しいクラスが三年E組だろうと、担任教師が犯人だろうと、隣が赤羽業だろうと、成すべきことは変わらない。ミュータントは、すぐそこにいる——。
あなたは椚ヶ丘中学三年E組の女子生徒[$名前が見つかりません]です。
トラブルシューターが前世のミュータントな[$名前が見つかりません]と、隣の席の赤羽業が、ミュータントを殺す話。
クロスオーバーです。複数の作品の要素が登場します。
異世界の描写を含みます。主人公または周辺人物が別の世界へ渡ります。
転生の描写を含みます。主人公または周辺人物が死んで生まれ変わります。
主人公または視点人物が異性からの性暴力の被害に遭います。
主人公または視点人物が暴力の被害に遭います。
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二
午前十時を迎えるより少しだけ早く、自宅の最寄り駅に着いた。まるで登校するように改札を抜けながら、プラットホームにも立たないうちにクラスメイトと合流する。
「あけおめー」
黒色の外套が軽薄に手を振った。まるで通学路で出会ったみたいに。だが当然にのぞくズボンは制服ではなく、袖の下もワイシャツではない。それに、通学に外套を要するようになってから、まだ朝の通学路で遭遇したことはない。
「あけましておめでとうございます」
私が一段丁寧に返してやると、カルマは値踏みするように私を見た。
「おそろいじゃん」
「そういう取引だった」
「またまた。俺はタイツが似合ってないって言っただけ、何から何まで合わせろとは言ってない」
「浴衣にいちゃもんつけられたこと私まだ覚えてるから」
やがてカルマが前に出た。先導するように歩き始めて、朝はめったに使わない道を進む。指摘しようかと思ったが、案内板を確認してまで前進を続けるので、黙って後に続くこととする。と、朝は使わないプラットホームに着いた。初詣と聞いたけれど、場所は椚ヶ丘神社ではないようだ。ちょうど一年ぶりにあの浴衣を着て参加した夏祭りの会場だが、
「あそこ駅から遠いじゃん」
隣から問えば、振り向きもせずにそう答えられた。私は追及しなかった。たしかに夏祭りの日は相当に歩いた記憶がある。クラスの半数と駅に集合して神社まで。いや、それ以上に歩かされた記憶もあるのだが。ちょうどと言えばちょうどこの輩に連れ回されて、花火まで
ご一緒
する羽目になった記憶だ。
今くしくも同じ相手に連れ回されようとしている。一年に一度の白色の浴衣ではなくて、
同じ色
の外套をまとって。
なんだかな。
毎朝とは反対側のプラットホームに立っていると、ひどく妙な心地がした。べつに初めて利用するわけではない。帰り道はこのプラットホームに降り立つわけで、元より逆方面に向かうことは、独りでも家族とでも何度でも経験がある。とはいえ、その観点で言うならば、このクラスメイトとの移動は初めてだった。二か月も登校時間が重なったくせに、これだけのことで違和感を覚えるとはそれもまた妙なことだが、それとも、テスト以来、重ならなくなったからだろうか。
電車の到着を待つ間、お互いイヤホンをつけることはなかったが、積極的に会話をすることもなかった。ただ無言で、私は幾つかのことを考えて、ちょうど放送が到着を知らせる頃、今日一番の重要事を思いつき、久しぶりに口を開く。
「他とはどこで合流するの」
「『他』」
カルマは首を傾げた。何のことやら、という顔だ。まるで心当たりがない、それどころか何を問われているかもわからないと言わんばかりである。しかし、まもなく、わざとらしく手を打つと、
「二人で行くんだよ」
と言った。
「は
——
」
電車が走ってくる。続く轟音に、反論がかき消される。やがて扉が開いた。何とも言うことができないうちに、乗り込まなくてはならなくなり、こんなときばかり座席も空いている。私たちはなるべく入口から離れた所を選び、並んで腰かけた。聞いていないなどという
自省
もんく
はたちまち機会を逸して
——
いや、車内は休日らしくにぎやかだったが。
しかし。本当の理由を避けたところで、幾らでも言い訳は選べただろうに。
駅から遠いとは、どこまでも見え透いた
うそ
だった。
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