糸冬いずく
2024-09-16 00:16:00
157796文字
Public 二次創作:キリングミュータント
 

キリングミュータント【リブーテッド】

完結、夢主あり、赤羽業、暗殺教室、Paranoia

三日月が爆誕した春、新しいクラスが三年E組だろうと、担任教師が犯人だろうと、隣が赤羽業だろうと、成すべきことは変わらない。ミュータントは、すぐそこにいる——。

あなたは椚ヶ丘中学三年E組の女子生徒[$名前が見つかりません]です。
トラブルシューターが前世のミュータントな[$名前が見つかりません]と、隣の席の赤羽業が、ミュータントを殺す話。

クロスオーバーです。複数の作品の要素が登場します。
異世界の描写を含みます。主人公または周辺人物が別の世界へ渡ります。
転生の描写を含みます。主人公または周辺人物が死んで生まれ変わります。
主人公または視点人物が異性からの性暴力の被害に遭います。
主人公または視点人物が暴力の被害に遭います。


  四

 アルファコンプレックスは階級社会だ。市民は絶対のセキュリティクリアランスによって分かたれており、色で区別することができる。電磁スペクトルの色に基づき九段階。まずは可視光線からレッドオレンジイエローグリーンブルーインディゴバイオレット。さらにレッドの下に赤外インフラレッドバイオレットの上に紫外ウルトラバイオレット赤外インフラレッド紫外ウルトラバイオレットはそれぞれ黒色と白色で区別される。
 色がすべてだった。
 気づけば寝台に背中から倒れていた。白色の天井だ。私の部屋だ。家に戻ってきたのだ。
 私は部屋着に身を包んでいた。制服はハンガーにかかっており、ブラウスや靴下はすぐには見当たらない。かわりに軽度の満足感があった。入浴も食事も済ませた後のようだった。食べた物も、入った時間も思い出せないけれど。
 いや、私はどこを歩いたのだろう。何をしてきたのだろう。どうして歩いてどうして、なぜ、これほど時間が経過したのだろう。なんだか記憶が曖昧だ。何か返事をした気はする。それより先にクラスメイトの所持品を修理したのだったか。ああ。
 体を起こしたくなかった。めったに抱かない怠惰の念に、しかし今だけはあらがわなければならない。クソダルい。ああ。かような語彙は内心に浮かべることすら禁じていたはずだった。
 やっと座ることをしてみると、ようやく通学かばんが目につく。学習机の側面にかかっていることは不自然ではない。少なくとも怠惰に身を任せて、すべてを放り投げてここに至ったわけではない、ということか。だが確認はしなければならない。明日の用意を済ませたかさえ、私はまだ思い出すことができない。ああ。また禁じていた言葉が、素直に脳裏をひらめいた。
 たいそうな時間をかけて、足を床に着けることをした。すると、歩くことは簡単で、たやすくかばんの前にたどり着く。授業の準備は済んでいた。予習も復習も筆記用具も。そして、しおりの挟まった本。今朝、教室で閉じたときから、ページが一つも進んでいない。私は音を立てて閉じた。時計を見ると、午後十一時。結局あのまま寝ていてもよかった。だが再び寝台に身を横たえる前に——最後に、床に放置された紙袋を拾った。
 有名な銘柄の、有名な意匠。今朝、出発したときには存在しなかったそれ。寄り道のことも、帰り道のことも、クラスメイトへの返事の内容も、何もかも忘れてしまいたいが、どうしても中身を確認しなければならない。
 結局、私がどちらを選択したか。
 自室に戻ってすぐ、椅子に座って端末を確認した。私あての通知は一つもなかった。
 袋の口はテープをはり直されていた。銘柄の色のついたそれを今度こそは剝がしてしまう。ごみは、面倒になって手の平で燃やした。できない灰には構わなかった。問題はその先だ。薄く開かれたその奥の、一面の白色の。