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糸冬いずく
2024-09-16 00:16:00
157796文字
Public
二次創作:キリングミュータント
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キリングミュータント【リブーテッド】
完結、夢主あり、赤羽業、暗殺教室、Paranoia
三日月が爆誕した春、新しいクラスが三年E組だろうと、担任教師が犯人だろうと、隣が赤羽業だろうと、成すべきことは変わらない。ミュータントは、すぐそこにいる——。
あなたは椚ヶ丘中学三年E組の女子生徒[$名前が見つかりません]です。
トラブルシューターが前世のミュータントな[$名前が見つかりません]と、隣の席の赤羽業が、ミュータントを殺す話。
クロスオーバーです。複数の作品の要素が登場します。
異世界の描写を含みます。主人公または周辺人物が別の世界へ渡ります。
転生の描写を含みます。主人公または周辺人物が死んで生まれ変わります。
主人公または視点人物が異性からの性暴力の被害に遭います。
主人公または視点人物が暴力の被害に遭います。
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十一月、又は進路相談
一
月をまたいでも電車に乗ったら赤羽がいた。殺されたことはない。未遂もない。毎朝、同じ車両で参考書を読み、私に気づくと顔をあげる。今日も変わらない。何も変えない。この私は、この程度のことで時間や乗降口を改めない。プラットホームに立って間もなく到着を知らされ、電車に乗り込み挨拶を交わし、赤羽の隣に立つ。彼の隣のつり革は大抵いつも空いている。
会話らしい会話はない。普段から。赤羽は何やら端末を操作して、私は片手で本を読む。それだけの時間が、椚ヶ丘駅の手前まで続く。
「次」
どちらからともなく視線を交わし、本を閉じる。支度を終えると、私は何となしに窓を見た。硝子の向こうを流れる景色は多少、工事現場が目につく。次の三月には消し飛ぶ
——
いや、そうはさせないための、か。
やがて降車駅が見えてきた。ただ、その日は
——
、電車が停止する直前、隣のクラスメイトが口を開いた。
「ねえ、次のテストだけどさ」
私の反応は騒音にのみ込まれる。
「勝負しようよ」
返事はすぐにはできなかった。椚ヶ丘駅で停止、開扉ときたら私たちも、ただちに電車を降りねばならない。ただでさえ通学、通勤の時間帯で、さらに乗換駅ともなると、三年目になっても息をつく暇がない。だから尋ねることができたとき、私たちは改札を抜けていた。
「勝負って、テストの成績で
——
」
「
——
他に何かある」
「一般的には、ないかもね」
「普通でいいんだよ。テストで普通に勝負しよう」
赤羽が階段を下りる。狭い階段だから一列になる。降りたらまた横に並んで、私は隣のクラスメイトに答えた。
「悪いけど、私じゃ勝負にならないと思うな」
「だとしても、よくない。普通の勝負だぜ。勝ってうれしい、負けて悔しい、
——
おまえとは違って普通の、さ」
「よくないよ」
喉から小さな音が漏れる。「私、殺害予告されてるんだよ」
「そうだった」
赤羽は今さら気づいたような声を出した。
私は努めて前を向いて、
「そんな相手に勝負を持ちかけられたら、普通、何かあるって考えるけど」
「ま、そこだけは、おまえが正しい。夏の期末でA組とやったやつ、あれやりたいんだよね。俺とおまえで、シンプルに総合成績で」
主要五教科の総合点、順位が高ければ勝ち、低ければ負け。勝てば相手に一回だけ命令できる。
私は幾つかの懸念を抱いた。この私は決して口に出さなかったけれど、赤羽はシンプルに解消しようとした。
「俺さ、死ね、なんて言うつもりはないよ」
どうだか、と私は思った。この私は答えなかった。
「無茶な命令も当然なし。命令は一回だけ。正真正銘、一つだけ」
口では何とでも言える。舌が自在に回ったなら、きっと、そのような返事をした。実際の言葉はまるで違った。
「それなら、どうして勝負なんて。三月までに殺すなんて言ったの」
「そっちのが、やる気、出ると思って。俺は出る。どっちにしたって
殺す気
で一位をとるよ。けど、おまえは
うそ
ついてる」
曲がり角に差し掛かった。赤羽が曲がる。私も曲がる。そして返答の機会をうかがう間に、赤羽は四つの数字を並べた。
「七十、九十、九十五。次は百点とるんでしょ」
正体が知りたければ五倍すればよい。三百五十、四百五十、四百七十五。五百はともかく前の三つは、三年生にあがってからの、私のテストの総合点だ。いや赤羽は確信しているのか。私は次は五百点をとる。けれどもこの私はあと少しくらいは控えめだ。
「こないだの中間、結構よかったからね。次は百点がとれたらって、思ったことがないって言ったら、うそになる。それこそ」
そう答えて、はっとした。この私は
——
「なら、もっとシンプルだ」
——
結局、決まりきっていた。
「俺は次こそ一位を狙う。おまえも次こそ百点を狙う。その結果で勝負するだけ。おまえが五百点満点なら、おまえの勝ちで終わる勝負だ。ついでに命令すればいい。私を殺さないで、って。それを無茶だとは言わないと思うけど」
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