糸冬いずく
2024-09-16 00:16:00
157796文字
Public 二次創作:キリングミュータント
 

キリングミュータント【リブーテッド】

完結、夢主あり、赤羽業、暗殺教室、Paranoia

三日月が爆誕した春、新しいクラスが三年E組だろうと、担任教師が犯人だろうと、隣が赤羽業だろうと、成すべきことは変わらない。ミュータントは、すぐそこにいる——。

あなたは椚ヶ丘中学三年E組の女子生徒[$名前が見つかりません]です。
トラブルシューターが前世のミュータントな[$名前が見つかりません]と、隣の席の赤羽業が、ミュータントを殺す話。

クロスオーバーです。複数の作品の要素が登場します。
異世界の描写を含みます。主人公または周辺人物が別の世界へ渡ります。
転生の描写を含みます。主人公または周辺人物が死んで生まれ変わります。
主人公または視点人物が異性からの性暴力の被害に遭います。
主人公または視点人物が暴力の被害に遭います。

四月、又は序章

 月が爆発した。比喩ではない。謎の爆発が、この衛星のおよそ七割を蒸発させた。夜空は満月を失った。今は三日月がかわりとばかりに昼夜も問わず、しかし規則的らしく地球を照らしている。
 ひと月あまりのできごとだ。世界を揺るがす大事件は、誰が最初に気づいたにせよ、知れ渡るには二十四時間では長すぎた。英語、中国語、文章、動画、陰謀、空想、ありとあらゆる人々が、ありとあらゆる情報を、ありとあらゆる憶測で、会話、通信、拡散した。それも一時の混乱だったが、今なお大衆媒体は爆発の真実を妄想している。
 謎は解明されなかった。
「これが月を破壊した怪物です。一年後の三月にはこの地球をも破壊します」
 妄想は解体されなかった。
「防衛省から来た」大人はくすりともしないで背筋を伸ばした。「中学校の応接室」で写真がつるりと私たちを隔てる。窓を隠された部屋でかさりともしない黄色の塗装。合成だと、画像だと、錯覚したい私に「実物はぬるりとしています」と黒服は証言した。
 これは国家機密である、と。
 一介の生徒には教えられない秘密。謎の爆発の最大の謎——犯人——が中学校で雇われた。
 この任務説明ミッションブリーフィングそれが「椚ヶ丘中学校三年E組の担任ならしてもいい」と言い出した話で始まり、生徒が殺せんせーと親しみを込めた話へ続き、私がブリーフィング担当官に呼び出された話で終わる。
「他のみんなはすでに任務に入っています」
 我々は以前からおまえに注目していたが、これまでのおまえはまだ、我々の望むレベルには達していなかった。
「よって、あなたにも暗殺任務を依頼します」
 この任務ミッションはきわめて安全で、多くの楽しみがあるでしょう。
「人間には無害で、怪物には効く、ナイフと弾を支給します」
 軟質の刃物と、BB弾と遊戯銃。卓上にずらりと装備を並べて、担当官たちは簡潔に講義する。
 私は最初に拳銃をとった。まるで手になじまなかったが、この場所からは外側アウトサイドが見えない。
 窓は隠されている。
 扉も塞がれている。
 かくして装備を割り当てられたら、まもなく任務ミッションの場所へ移動する頃合いだ。しかしてブリーフィング担当官たちは黒色に身を包んでいる。
 私は拳銃ハンドガンをにぎっている。
 奇妙な想像が脳裏をよぎった。
 だが装填された弾丸は合成樹脂めいた球形で、私たちには効かなかった。頭の上に輝く星も、もはや数えるまでもない。