Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
糸冬いずく
2024-09-16 00:16:00
157796文字
Public
二次創作:キリングミュータント
Clear cache
Export ePub
キリングミュータント【リブーテッド】
完結、夢主あり、赤羽業、暗殺教室、Paranoia
三日月が爆誕した春、新しいクラスが三年E組だろうと、担任教師が犯人だろうと、隣が赤羽業だろうと、成すべきことは変わらない。ミュータントは、すぐそこにいる——。
あなたは椚ヶ丘中学三年E組の女子生徒[$名前が見つかりません]です。
トラブルシューターが前世のミュータントな[$名前が見つかりません]と、隣の席の赤羽業が、ミュータントを殺す話。
クロスオーバーです。複数の作品の要素が登場します。
異世界の描写を含みます。主人公または周辺人物が別の世界へ渡ります。
転生の描写を含みます。主人公または周辺人物が死んで生まれ変わります。
主人公または視点人物が異性からの性暴力の被害に遭います。
主人公または視点人物が暴力の被害に遭います。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
四
その日は終業式まで行われた。答案返却後、本校舎体育館での式のためだけに山を下り、終われば最後のホームルームのために山をのぼり、それも終われば下校するためにまた山を下りる。そうして荷物諸共、下り坂に向かって校門を抜けたときのことだ。
「あんたさ、俺に言いたいことがあるんじゃないの」
少し後ろを歩いていたクラスメイトが、わざわざ隣に並んできた。
「赤羽くん」
位置関係は互いに把握していたから、特に驚くことはない。特に共に帰る意図もなかったが。放課後になったから教室を出ただけ。最終日だったから放課後訓練もなかっただけ。だから結果として多くのクラスメイトと共に、山を下りることになっただけ。そうした流れに沿って、隣の席の赤羽と偶然同時に教室を出た。靴を履き替えた。同じ道を同じ速度で歩いて、同じ門を抜けることになった。
しかし私と赤羽はこの認識を、共有するものではなかったようだ。特に驚くことはない。とはいえ、それには意図が必要だ。
同様の質問を受けた覚えはある。ちょうど相手も赤羽だった。修学旅行の夜のことだ。長い雑談を挟んでようやく、昨冬の私のE組落ちに関して贖罪しようとしたのだった。当時それまで謝罪の一つもなかったから、さすがにこの私も然るべく思い当たって、およそ想定内の問答の中で彼を快く
赦
ゆる
した。
——
つまりは今は済んだ話だ。
だからやはり見当もつかないのだが、私は少し考える素振りを見せて、
「何のこと」
正直に質問を返すことにした。赤羽に対して言いたいことなど、この私にはもはや何一つとしてないのだ。しかし速度は合わせてやった。今の私は気分がよい。この程度は譲歩の内にも含まれない。
隣の顔は正面を向いていた。「そんなにうれしそうなとこ初めて見た」
はるか前方に茅野さんと奥田さんがいる。
「ふふ、なんだ、そんなこと」
私は急に笑いたくなった。「実はね」と少しだけ声を潜めて。「テストの成績があがったの」
「すごく難しくなってたのに」と、付け足すと、返事があった。「そうだったね」と隣から気の抜けたような声。成績の上昇か問題の難化か、彼がどちらにうなずいたかは私にはわからなかった。だが今はどちらでも構わなかった。
「学年一位は無理だったけど、理科と数学が特にあがってて」
「そっか」
赤羽が平坦に音を紡ぐ。声色は読みとれない。思いついて再び隣を見るまでもなく、彼は正面を向いている。顔には影が生まれていた。過去の退屈な会話の中で、今のような表情をつくっていたかもしれないが、私は初めからどちらでも構わなかった。今はいつにも増して、どうでもよい。ふと頬が緩み、息がこぼれる。一方、赤羽はそれきり口を閉じた。
一歩、二歩、五歩、十歩。この私も困惑しつつも隣人にならったら、十メートルも二十メートルも無言のまま下ってしまう。それは決して悪い時間ではなかったが、いよいよ三十メートルを過ぎる頃、さすがにと思って隣の様子をうかがったら、
「幸せそうだね」
「うん、私は幸せだよ」
考えるより先に答えることになった。答えた瞬間、視線が交わった。すっかり感情を押し隠した瞳に、満開の笑顔が映り込む。
赤羽の
中間テスト
は学年四位だった。赤羽の得意科目は数学だった。赤羽の期末テストは学年十三位だった。赤羽の数学は学年十一位だった。私の総合点は、やはり赤羽には及ばなかったが、数学の学年成績は三位だった。
まもなく赤羽が正面を向きかける。はたして配慮が必要だったか、
いや
。
「赤羽くんは」
そのようなものが一分でも備わっていれば、それは問うまでもないことだった。この夏の三年E組には総合点一位を期待された生徒がいた。
——
そして私は幸福だった。
それは自問自答より自己暗示より、この私より、誰より、何より、普遍的に必然的に果たされるものだ。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内