ユーリ・ローウェルの日記

青年が日記を書く話。


もうすぐ1冊目が終わる。エステルにそれを告げると、満面の笑みで「すごいです、ユーリ!」と褒められた。ちなみにエステルは、あれから8冊目を数えるらしい。何をそんなに書くことがあるんだ――と思ったが、考え直した。あるな、書くことは。余るほどある。オレがサボり症なだけで。
エステルは自分の部屋の書棚としばらくにらめっこをしていたが、ややあって1冊の本を手に戻ってきた。
シンプルな菫色の表紙に翡翠の箔が散りばめられた、きれいなノートだった。悪くない。ありがたく受け取ると、エステルが嬉しそうに笑った。
さて、2冊目はどこから書くことになるかな。
ひとまず今日はここまで。レイヴンの様子でももう1回見に行くとする。