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ユーリ・ローウェルの日記
青年が日記を書く話。
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暫く眠っていたらしい。さっき起きた。部屋に誰もいねぇ。
砂漠でガキたちの親を見つけてほっとしたのもつかの間、わけのわからねぇ魔物に襲われて、今はなぜかベッドの上にいる。
あいつらが心配だ。何が起こるかわからないので、ひとまず書き残しておく。
……
オレも日記の使い道ってやつを分かってきたかな。お姫さんほどじゃねぇけど。
---
どうやらここはヨームゲンという街らしい。フェローに会えないままここに来ちまったのは気掛かりだが、あのまま砂漠を進んでいてもどの道ぶっ倒れてただろうことを考えれば、いいタイミングだったのかもしれない。そう思うことにする。今はリタの調べ物を待つ間、自由時間ってところだ。
街のやつらの話を聞いていると、どうやらあの幽霊船の手記にあった、千年前の街がここらしい。デュークが訳知り顔だったが、あれ以上聞き出すのは難しいだろうな。聖核だの始祖の隷長だの、知らねぇ言葉がどんどん出て来やがる。エステルじゃなくても焦っちまうな。
おっさんが宿にも街にも見当たらなくて、探しちまった。藤棚の下で一人立って、ぼうっと空を見上げていた。新月が迫っていることで焦っているのかと思いきや、別段そういうわけでもないらしい。それどころか、もうちょっと一緒にいさせてほしい、おっさんは寂しがりだから
――
ときたもんだ。カドスの喉笛でも思ったが、どうやらこのおっさんは結構な寂しがりの構ってちゃんらしい。そのくせ自分の身体のことは黙ってるってんだからやっぱり性質が悪ぃ。
「その後どうだよ、胸の調子は」
と指で示してやったら、さりげなく羽織の裾を合わせて隠しやがった。
「平気です~。砂漠で持ち前の若々しさを発揮するレイヴン様の姿、見たっしょ?」
のドヤ顔付き。腹が立ったので「おっさんの信用ならなさは折り紙付きだからなぁ」と笑ってやった。すると舌を出してまさかのあかんべぇだ。大の大人がその顔するな。オレがそっぽを向くと、おっさんが強引に覗き込んできて
「おたくさんの具合はどうよ、大将?」
と尋ねてきた。近い。腹が立ったからおっさんの鼻をつまんでから帰ってきた。
心臓が妙な音をたてている。うるさい。少し寝る。
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