ユーリ・ローウェルの日記

青年が日記を書く話。


おかしくなりそうだ。
何も書ける気がしない一方で、何か書いていないと気が狂っちまいそうになる。
エステルを助けるのが最優先。
オレがしっかりしねぇでどうする。

---

ひどい字だな。元々読めた字じゃねぇけど。
右腕の裂傷が深い。その割、左は不自然なくらい無傷だ。
……あの野郎、利き手を避けて攻撃していやがった。
ふざけるな。

---

あんたはずっとレイヴンだっただろって言ってやればよかった。
死んだ方が楽だったなんて二度と言うなと叱りつけて、その場でぶん殴ってやればよかった。
一緒にバカ騒ぎしてる時に、あんたはやっぱり笑ってる方がいいよって教えてやればよかった。
もっとおっさんの、レイヴンの名を呼んでおけばよかった。
――櫛を返すのを忘れていた。礼も言えてない。
助かった、サンキュってたったそれだけのことをオレは。
何も伝えられていない。