ユーリ・ローウェルの日記

青年が日記を書く話。


久しぶりに書く。今いるのはトリム港。
ヘリオードではキュモールの野郎と嬉しくない再会を果たした。しかし貴族様ってのはどいつもこいつも、つまらねぇことに労力を割きやがる。本気で下町や街の奴らのことなんか虫けらみたいに思ってるんだな。
妙な喋り方をするトロロ髪の"イエガー"って奴もなかなかの食わせ者だ。一発やりあったが、あれは本気じゃなかったように思う。もう会いたくねぇもんが、そういう奴に限ってまた会っちまうんだよな。当たりたくない予感だけど。
リタと、例のおっさんとも再会した。リタはともかく、おっさんはマジでどこからともなく現れやがる。ドンにエステルを監視するよう言われているらしい。幹部のお仕事、ってやつだ。まだ信じられないが、なかなか重要な任務を任されてるってとこだ。ご苦労さん。
……波音がする。港町ってのは悪くない。

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港でおっさんと少し話した。秘密の部屋に地下水道――持っている情報が実に幅広く、それゆえにギルドの幹部って話はそろそろ信じてやってもいい。が、腹の底まで信じていいかと言われるとオレの中の何かが警鐘を鳴らし始める。いかんせん本人がちゃらんぽらんなのがいけない。”お行儀”がよかったかはさておいて。
うちのギルド、凛々の明星と同行する以上はうちの掟が絶対だ。おっさんを信じるも信じないもオレ達次第。……の筈なんだが、逆におっさんの方がオレ達を測っているようにも見える。「果たしておっさんを信じるのか、否か?」そんな感じだ。どうにもやりずらい。
ドンのところの幹部を悪く言いたくはないが、騎士団長アレクセイとの繋がりも無視できない。向こうもそれを分かっていて、わざと最年長のオレに警戒させているフシがある。オレはそれに乗っかるまでのことだ。いざとなればリタやジュディの手も借りてつまみ出してやればいい。リタはつまみ出すだけじゃ済まなさそうだが。
……おっさんのことばかり書いちまって非常に疲れた。寝る。