ユーリ・ローウェルの日記

青年が日記を書く話。


地下牢で暫く暇することになりそうなので、これを書いている。フレンの身代わりってやつだ。あいつなら何とかするだろう。そういうやつだ。
頭の中はまとまらねぇが、せっかく時間があるから書いて残しておこうと思う。
ドン・ホワイトホースって爺さんと出会った。すごい男だった。一目見ただけで只者じゃねぇってのがわかる。これまで出会ったことのない――いわゆる「豪傑」ってのはああいう男を言うんだろうな。
ギルドという集団について、オレはまだ正直よくわかっていない。ただ、あの爺さんを中心にギルド連中が――ひいてはこの街、ダングレストがある程度まとまってるってのは肌で感じとれた。少なくとも、あの爺さんの一声であの場にいたギルド連中が一斉に動き出した。まあ、あんな大仰に騒ぎ立ててみせたのもあの爺さんの一芝居ってとこだろう。大した策士だ。カロルがしきりに尊敬の目を向けていたのも頷ける。
「守る」っていう言葉の重みをこんなにはっきりと感じたのは、初めてかもしれない。
ついでにもう1つ。例のおっさん、ドン・ホワイトホースが束ねる天を射る矢の幹部だそうだ。全く信じられないが本当らしい。しかしあのおっさんはたしか、騎士団長アレクセイとも繋がりがあるんだったっけか。何者なのか、どういう立場の男なのか、マジで全くわからない。何をしでかすか分かったものじゃない。下手な奴をあのドンが傍に置いとくわけはないだろうけど――
っと、誰か来た。ここまでにする。