ユーリ・ローウェルの日記

青年が日記を書く話。

日記を書くことになった。
エステルが書けとうるさいからだ。
キコウブン?というらしい。なんでも、旅の間に見たものや感じたことを記しておくもんだそうだ。オレは筆まめな方じゃないし文字も読めたもんじゃないからと断ったんだが、どうやら記録というものは価値が計れないそうで、まあともかく何やかんや言われてこれを書いている。
正直面倒くさいが、まあやれるだけやってみるか。
それにしても、紙のノートをこんなに気安く使えるってのはなかなか慣れねぇ。外の世界ってのは広いもんだ。フレンに追いつくのも水道魔導器を取り戻すのもまだまだ時間がかかりそうだ。
あと何を書いたらいい?……ああ、地下で鍵をくれた謎のおっさんのことでも書いとくか。隣の牢でぺちゃくちゃ喋り散らかしたかと思えば、騎士団長様直々のお出迎え。挙句見ず知らずのオレに鍵まで寄越しやがった。ありゃ騎士団長に見つかったら大目玉どころじゃすまねぇぞ。逃げ道も知ってたし騎士の関係者だってことは確かだが、それ以外のことは全くわからねぇあやしいおっさんだった。ま、もう会うこともないだろうけど。
……こんな感じでいいのか? 日記ってのは難しい。