kurotera
2025-02-24 08:27:05
174619文字
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You are what your back bears

2022年6月に発行したイノセントブレス IB本の再録です。
発行から一年経ち、頒布も終了しているので掲載。
当時手に取っていただいたかた、ありがとうございます。

【概要】
ぼくのかんがえたさいきょうのイノセントブレス本(非公式)
無印三部前提
出てくるメンバー:教会勢、ラプラスの悪魔、ダーククロウ、LL、無銘
ですが無銘の四名とダーククロウさんは本当に一瞬です。あくまでIB中心。
戦闘と日常の比率は6:4ぐらい。当社比。
書き手の趣味が爆発してえらいことになりました。

要素/注意
九割捏造。特に過去。
公式ファンブック旧版と一部キャラクターメッセージカードを元に当時は執筆していますが、未所持のカードもあるので設定にずれが生じています。


 夕餉も終わり、談話室で五人が寛いでいる。ラジエルは明後日提出の課題と睨めっこしていて、サマエルはそれを監視、もとい見守っている。ザドギエルはまた新しく借りた本を読みふけって、サンダルフォンは紅茶を飲みながらぼんやりと、何か考え事をしているようだった。その中でさっきからそわそわしているのはハニエルで、目を伏せたまま何かを言いたそうな仲間にふと顔をあげたラジエルが見つけた。
「どうした? ハニエル、なんかそわそわしてるけど」
「課題に集中しろ」
 ラジエルとサマエルの声に反応したのはザドギエルだ。本を閉じてどうした? とハニエルに問いかければハニエルはびくりと肩を跳ねさせ、少し迷った後に立ち上がった。
「あ、あの!」
「うん?」
…………っ、あの、明日……皆さんお休みですか?」
 ハニエルの問いに三人が首を傾げる。そしてそれぞれ、頷いた。授業が短い日や休みの日には聖都の街中や郊外に出ることが許されている。
 サンダルフォンは時折、買い物や愛馬を駆けさせる為に外に出ていたし、ラジエルなんかはしょっちゅう街に繰り出していた。反対に聖域の外にあまり出ないのはサマエルとハニエルだ。
 そんな彼がこうした質問をすることは珍しい。
「うん、明日は授業も休みだろ。特に予定もないなあ」
「俺も!」
「お前は今日課題が出来なければ明日もこの机と椅子に縛り付けられるぞ」
「そ、それなら……野遊びに行きませんか……!」
「野遊び」
 ハニエルの言葉に鸚鵡返しをしたのはザドギエルだ。
「なんでいきなり」
「え、っと、天気もいいみたいだし、その、朝に鳩さんをお散歩させた時に……お出かけしたいなあって思っただけで、あ、う……でも、皆さん……無理に、とは……
 徐々に声の力を無くしていくハニエルを三人がじっと見つめる。ハニエルもいきなりそんな提案をすれば皆困惑してしまうだろうと今更になって恥じらってしまった。
「いいじゃん、それ」
「ですよね、また今度……えっ」
 ラジエルの嬉しそうな声に小さくため息をつきかけて、あれ? と顔を上げる。ベイビーブルーの眼を輝かせ、ラジエルはうんうん、と頷き、四人を見渡した。
「な、行こうぜ皆! 俺も今すぐ課題終わらせちまうしさ! いいだろ、サンダルフォン! ……サンダルフォン?」
…………え、あ、ああ……
 ぼんやりとしていたサンダルフォンの顔をラジエルが覗き込めば、驚いたように肩を揺らしてサンダルフォンが顔を上げた。眉を下げてハニエルが首を傾げる。
「サンダルフォンさん、具合でも悪いんですか……?」
「いや、そんなことないよ。少し考え事をしていただけさ、ごめんね。……で、ラジエルが頑張って課題を終わらせて明日は皆で野遊びをしたい……そういうこと?」
「は、はい……サンダルフォンさんもよければ」
 ハニエルの不安げな声に微笑み、大きく頷く。もちろんさ、皆で行こうと四人に言えば、サマエルもザドギエルも頷いた。本当ですか、とハニエルが眼を輝かせる。
「ラジエル! 課題、お手伝いします!」
 声を明るくさせ、ハニエルがラジエルの席の隣に座る。それを眺めながらザドギエルはうんうん、と微笑ましそうに目を細め、サマエルもやれやれと小さく息を吐きながらもラジエルの課題を覗き込んだ。
 その様子をサンダルフォンがじっと見つめ、それからそっと、目を伏せた。