camellia57
2026-02-01 18:27:30
67473文字
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火アリSSメーカーまとめ

2024~2025年に書いたSSのまとめ。全年齢のみ。ごちゃまぜ
話は独立していてつながっていません。基本的にはページが後ろの方が古いです


 目を閉じて火村が近づいてくるのを待つ。
 キャメルの香りが一際強くなったとき、火村の唇が私の……
 口の端に触れた。
 
 …………。うん? ……あ、あれ?
 そろりと目を開くと気まずそうな顔をした火村と目が合う。
 
「アリスが、顔を見られたくないから俺にも目を瞑って欲しいって言うから……
「お、おう」その頼みを聞いてくれたのか。
……着地点を誤った」

 …………。なるほど。

「もう一回だ。失敗は成功のもとって言うしな」
「いや別に失敗とまでは」思ってないが。
「目、閉じて」

 おとなしく目を閉じて待つと今度は唇の半分に触れた。

…………
「成功?」
「いや……どうなんだろう……?」
「さっきのも唇同士は一応触れたんやからファーストキス判定なんやない?」
……。あれが……

 長い指を唇にあて、なにやら火村が思案している。そんなに考え込まなくても。

「初回と二回目で接地面を想定箇所から外してしまったのは、動き出してから見えていないことが原因だろう。距離も課題として上げられるかもしれない。あとは真正面から近づくとおそらく口が触れる前に鼻がぶつかる。これはどちらか、またはお互いの顔の角度を変えれば解消できると思われる。しかし、そうすると余計に見えないことが失敗の可能性を高める。これらを解決するには俺が目を開ける必要がある。というかそうしないと何度やっても上手くいかない気がする。だから、いいよな?」
「う、うん……?」
「じゃあもう一回、目閉じて」
 なんだかうまく言いくるめられてしまった気がするのだけど、大真面目に解決策を説明する火村がかわいかったので素直に従うか。

 三回目は火村も納得の成果となったのだが、触れる直前に「アリス、好きだよ」と囁かれた私は肝心の感触がわからなくなってしまった。

 結局どれが火村と私のファーストキスになったのかはお互いのみが知る。