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camellia57
2026-02-01 18:27:30
67473文字
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火アリSSメーカーまとめ
2024~2025年に書いたSSのまとめ。全年齢のみ。ごちゃまぜ
話は独立していてつながっていません。基本的にはページが後ろの方が古いです
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「あ
……
!」
ノートを広げたまま難しい顔をしていたアリスが突然声を上げる。
先ほどまであった声を掛けられないような壁が消えていた。
どうしたのかと聞けば発見したのだと言う。
「『裏』の中に『表』が入ってるのわかるか? ほら、ここに。な? あるやろ?」
書いた字に赤い色をつけて説明してくれる。確かに『表』が隠れていた。アリスほどの驚きはなかったけれど、その声が弾んでいて思わず火村の頬も緩む。アリスの視線は紙の上の大発見に集中しているから火村の変化を見逃してしまう。
「何度も書いてきたはずやのに、今まで気がつかんかった。なんとなく眺めてたら突然浮かんで見えたんや。
……
アイデアはそういうもんかもしれんな。行き詰まってる気がしてたけれど前に道が見えなくても他に進める可能性はあるんかも。見落としてることがないか、もう一回確認する」
顔を上げたアリスの目には迷いが消えていた。
ほんの些細なきっかけ。それだけでアリスのスイッチが入ったことがわかる。
「他にも隠れてる言葉ありそうやな」
「目的を見失うなよ?」
「人生に寄り道は必要なことやない?」
「迷子にならなきゃいいけどな」
そう口では言いながらも、火村はアリスの中に隠れている動物を見つけていた。
気恥ずかしくて言葉にはしなかったけど。
「言葉って面白いな。並び替えたら別のものになるし、共通点が潜んでたりするし」
すっかり調子を取り戻したアリスが楽しそうに笑う。
漢字一つでもアリスにかかれば遊びの道具になる。作家を目指す人間とはこういうものだろうか? アリスが特別なんだろうか?
「今度は犯人当ててくれるか?」
「伏線が曖昧じゃなくて中身に矛盾がなければな」
「次は期待しててくれ」
「期待はいつもしてる」
思ったままの言葉を告げると、アリスが面食らったようでいつもの軽口が返ってこなくなる。
「そ、そか
……
」
「新作の完成、楽しみにしてるよ。未来の大先生?」
敢えて大げさに言えばアリスが調子を取り戻す。冗談で言っているわけではないけどその本音が伝わらなくても構わなかった。
「当たり前や。今に見とけ」
アリスが火村の胸をトンと叩いて、力を取り戻した目で不敵に笑う。
思い詰めた表情で暗い目をしているよりずっといい。
「ああ、早く読ませてくれよ」
今はまだ火村が一番の読者。
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