camellia57
2026-02-01 18:27:30
67473文字
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火アリSSメーカーまとめ

2024~2025年に書いたSSのまとめ。全年齢のみ。ごちゃまぜ
話は独立していてつながっていません。基本的にはページが後ろの方が古いです


 大学4年の冬、講義も期末試験も終わって大阪に住むアリスが大学まで来る用もなくなり会う機会が極端に減った。今までは構内でお互いに居そうな場所に行けば大抵見つかったのに。4月からは環境も変わって自由な時間を作るのも難しくなるだろう。俺だけが会いたいと思っても会えなくなるのかと、理由が必要になるのかと思うと途方に暮れてしまいそうだった。
 それならいっそと、2月14日に下宿で飲まないかと呼び出した。試験お疲れ様会だなんて理由をつけて。「飲むんやったらその日は泊まってもいい?」って言うアリスに後ろめたい気持ちで「いいよ」と返事をした。
 その日が何かを知らないはず無いだろうけれどまさか同性の友人から告白されるだなんて思ってもないだろう。もしかしたから帰ってしまうかもしれない。
 催事場は率直に言って非常に居心地が悪かった。一粒で煙草が買えそうなものもあってチョコレートの世界の広さを知った。
 酔いつぶれる前に包装された有名ブランドのチョコの箱を渡して「好きだ」と告げたらアリスが大きな目をさらに大きくさせて泣き出した。泣くほど嫌だったか……友情を裏切ってごめんと謝ろうとしたら「そうやない!」って慌ててアリスもショルダーバッグから同じ箱を出して俺に渡して来たからこれは都合の良い夢なのかと思った。
「俺も火村が好き」泣きながら笑ったアリスの顔はずっと忘れないと思う。

「予定通り泊まるってことでいいのか?」
 さすがにいきなり同じ布団で寝たりはできないけれどアリスに確認すると
「この状況で帰るって言うわけないやろ」と笑った。
 今日は同じ部屋で寝ると婆ちゃんに言って一階から客用布団を運ぶ。
 悩んだ末に少し距離を離して隣に敷くとアリスが俯きながら
……寒いから」と言って布団を押す。隙間なく並んだ二つ。アリスの方を見ると耳が真っ赤になっている。ずっと髪が短いままならいいのに、なんてことを思った。

「寒いからな」「うん、そうや」
 別々の布団に入って向かい合って手を伸ばしたらアリスも同じことをしてきて、暖かい毛布の下ではじめて手を繋いで、二人とも冷たい手がゆっくりあったまった頃には眠たくなってそのまま朝を迎えた。『恋人』になって初めての朝はいつもと同じはずなのに何もかも違って見えてまた俺は泣きそうになった。