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零ミリ
2026-04-26 18:26:40
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輝石と筆跡2026毎日ワンライ
がんばります
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朝
部屋に差し込む朝日に自然と目が覚める。視界は恋人の安らかな寝顔でいっぱいだ。朝一番の幸せを感じながら布団から起きあがろうとすると、无諦の腕で抱きしめられていて起き上がれないことに気付く。
朝食の用意をするので、夜抱き締めて寝なくて良い、と前に言ったのだが、无諦はお構いなしに子供にするようにぎゅっとしてくれる。朝食の用意は无諦が起きてからで良いと解釈して、无諦の朝寝坊の寝顔を眺めることにする。
なんとも綺麗な顔をしているなあ、と思う。无諦に出会うまでに、美丈夫と称されるような男性と出会ったことはあったけれど、男性に「綺麗」という感想を抱いたのは初めてだ。男臭いとは程遠いが、かと言って女性的な顔立ちでもない。原田无諦ただ一人が持つ美しさなのだ。顔が美しいから无諦を好きになった訳では決してないが、无諦の美しさは无諦の好きなところの一つだ。
重力に従って無造作にかかる无諦の前髪を軽くかき分けて、額をあらわにさせる。にきびの一つもない綺麗な肌だ。ずっとこうであってほしいと思う。前髪をかき分けた手でそのまま无諦の髪先をいじる。髪先をいじりながら无諦の寝顔を見続けると无諦のまぶたが開き、紅玉の瞳が覗く。
「ん
……
らん、ぎり」
「おはよう! 无諦!」
「
……
おはよう」
无諦はまだ意識が覚醒しきっていないようで、ぽやんとした受け答えだ。无諦は朝が弱いので、目が覚めた瞬間から十割覚醒していることはまずない。
「无諦、腕を解いてもらえるかな? 朝食を作ってくるよ!」
「
……
だめ、らんぎり」
无諦はまだ覚醒しきっていないにもかかわらず腕の力を強める。无諦の体温を全身で感じながら、无諦の唇を指で押さえる。
「もー! 昨日もあんなに甘えてたのに、まだまだ甘えただね?」
「うん」
无諦は幼い声音で素直に答える。一見人付き合いがあまり良くない第一印象に反して、无諦は恋人に対しては素直に甘える。もちろんそれは嬉しいけれど。
「もう少しこのままでいよう」
「无諦がそうしたいのならいいけれどね!」
无諦の髪先をいじっていた手を後頭部に回してやわやわと撫でる。自分が子供の頃に母親にしてもらったように。无諦は一度開いた瞳をまたとろんと閉じかける。
「无諦! 二度寝は良くないよ!」
「ねてない」
そうは言うが无諦の目が僕と同じくらいしか開いていない。良い大人を甘やかすのは良くないとは思うが、无諦の頭を撫でる手は止めなかった。
「あのね、无諦」
「なんだ」
「僕、朝っていうのは朝日と共に起きて運動と勉学に励むべきものだと思っていたのだけれど」
「うん」
「无諦と恋人になって、こういう風に何もしない朝を過ごすのも良いって知ったんだ」
无諦はまぶたを開けて、にやりと笑った。
「堕落を知ってしまったな」
「堕落ではないよ! 人として喜びを知ったんだ!」
「はは、そういうことにしておこうか」
无諦はそう言うと僕の額に軽い口付けを落とす。どうしようもない幸せに无諦の胸元に顔を埋めた。
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