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零ミリ
2026-04-26 18:26:40
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輝石と筆跡2026毎日ワンライ
がんばります
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今日も変わらず君を目で追う
休憩中の教場の窓際に立ち、ガラス窓を開けると気持ちの良い風が頬を撫でる。窓の外を見下ろすと、中庭を横切って生徒たちが校舎を移動している。その一団を微笑んで眺める。
「宇津木くん、何か面白いものでもあったかい?」
エアツェルング軍医学校の薬学科の正規生徒が話しかけてくる。彼が覗き込んでも同じ学校の生徒がいるだけだ。
「友人がいるからさ!」
「ああ、日本から一緒に来たっていう。でもよく一緒にいるだろ?」
「講義の間は一緒に行動できないから、こうして見ていたんだ!」
彼は納得したのか納得していないのか曖昧な表情で頷き離れる。彼にとっては面白くはなかったらしい。
再び窓の外を見る。もう生徒たちは建物に入ってしまい中庭には誰もいなかった。无諦をもう少し見ていたかったな、と思う。もう理屈ではなく、人生でできるだけ多く无諦を視界の中に入れていたかった。できれば隣で語り合いたいが、見ているだけでいい。講義で離れ離れになっている間が恋しい。
「はや无諦に会いたいなあ」
もはや数時間さえも无諦への感情の前には百年に等しかった。
ぎし、とベッドの軋む音を鳴らして无諦が僕に覆い被さる。ちゅ、と触れるだけの口付けをして、无諦は思い出したように言った。
「そういえば藍桐、今日の空き時間に中庭の私たちを見ていなかったか」
「え! 見ていたけど、気付いていたの!?」
「気付いていた。しかしよそ見をしていたな」
「話しかけられちゃってさ! 无諦も気付いていたなら声かけてくれたら良かったのに!」
「君ではないから私の声では届かないな。それに、君を見ていたかったんだ」
无諦が僕の頬を手の甲で撫でる。ふふ、と无諦は軽く笑って続ける。
「私はね、君を見ているのが好きなんだ。君が気付いてないだけで、私はいつも君のことを目で追っているよ」
「いつも?」
「いつも」
「无諦がそんなに僕のことを見ていたなんて気付かなかったよ! えへへ、无諦も僕のこと、好きなんだね!」
「ああ、好きだよ」
「〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」
无諦の言葉に嬉しさの声にならない悲鳴を上げる、无諦は僕の額や頬に口付けを落とす。それが更に気持ちよくて、とろけそうになる。
「无諦は大人だね
……
僕は見ているだけでは足りないよ! できれば隣にいたい!」
「それもまた君の愛の形だろう。もちろん、私だって君と語り合えるのは嬉しい」
「語り合うだけでいい?」
无諦の手を取り、指を絡め合う。无諦の目が細められる。
「いや、もっと君を近くで感じたい。君を見るのは好きだが、触れ合うのはもっと好きだから」
目で追うまでもなく、視線を絡め合わせ、唇を重ねた。
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