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零ミリ
2026-04-26 18:26:40
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輝石と筆跡2026毎日ワンライ
がんばります
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どうしよう好きみたい
「むーていっ!」
甘えた声とともに、背中に体重と体温を感じた。藍桐が抱きついてきている。身体を捻り、藍桐に声をかける。
「藍桐、外で抱きつくのはやめろ。はしたない」
「淫らな関係ではないのだから、いいじゃないか!」
「誤解されたらどうする」
「誤解するような人間には誤解させておけばいい! 无諦と僕の崇高な関係性を理解できない人間には!」
「藍桐」
「分かったよ!」
藍桐がしぶしぶ、といったように自分の体から離れ、隣に立つ。
「あのね、さっきのことなんだけれど!」
藍桐が楽しそうに自分の体験を話し始める。
藍桐の話に相槌を打ちながら自分の動悸が藍桐にバレていないか更に動悸が早まる。
藍桐の親密な接触を意識するようになったのは一ヶ月ほどのことだ。ある時、正面から自分に飛び込んできた藍桐が自分を見上げる笑顔がどうしようもなく、愛おしく、抱きしめ、口付けをしたくなった。
(どうしよう、好きみたいだ)
自分は藍桐に恋をしていた。
恋だなんて、軟弱な人間の気迷いだと思っていた。結婚した妻を愛おしく思うことはあるだろうが、結婚もしない相手に入れ上げるだなんて。しかし、自分ごととなると、この気持ちはどうすることもできなかった。
もっと話したい、もっと知りたい、もっと触れたい。欲望はとどまることを知らなかった。しかし、原田无諦という人間は難儀なもので、自分から藍桐に近づこうとすることはなく、むしろ藍桐から近づいてくる時には、邪険にしようとする。それは自分が天邪鬼であるからでもあるのだが、藍桐もそのやり取りを楽しんでいるようであったので、別の態度を取ることもできなかった。
だが、そろそろ一歩を踏み出したい。このまま親しい友で居続けるつもりはなかった。隣を歩く藍桐の手を取り、優しく、けれど離れないようにぎゅっと握り込む。きっと自分の気持ちは伝わらないだろうが、藍桐は喜ぶだろう。どんな喜び方をしているだろう、と藍桐の顔を覗き込む。
「え、む、无諦
……
?」
藍桐は笑顔ではなく、顔を真っ赤にして困惑の表情を浮かべていた。困惑ではあったが、嫌悪はなかった。ちょっとした親切に菓子折りを持って謝礼に来られてしまった、そんな困惑。藍桐の思わぬ表情に自分もなんだか恥ずかしくなってきてしまった。
「藍桐、君がいつもしていることではないか
……
?」
「僕はするけど、无諦、君がするのは違うんだって
……
!」
藍桐は真っ赤なままむにゃむにゃと何事か反論する。この反応はなんだ。もしかして君も同じ気持ちなのか。私の気持ちを伝えるまで、君の気持ちを聞くまで離さない、という気持ちで藍桐の手を握る力を強くした。
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