Day21:海水浴
晴れ渡る青空の向こう側に白い入道雲が立ち昇っている。足元には熱を帯びたクリーム色の砂浜が広がり、その先では青い海が白い波を立てながら寄せては返しを繰り返している。
ウィリアムとエドワードは海水浴場にやってきていた。
「いや、なんでだよ」
「なにがだい?」
「なんでもない
……」
ウィリアムは水着に着替えたものの、海には入らずにパラソルの下で冷たいドリンクを口にしていた。海に行きたいと言った張本人であるエドワードはというと、大きな砂の城を作ろうと奮闘していた。
「え? お前は海に入らないわけ? そのために来たんだろ」
「そのつもりだったんだけどね、実はオレ、自分が泳げないのを忘れてたんだぞ」
「え、意外すぎる
……」
エドワードといえば常軌を逸した身体能力によって超スピードで駆け抜けたり、とんでもない高さまで跳躍したり、重量級の魔物を片手で軽々放り投げたり、身体を動かすことにおいてできないことはないイメージだったのだ。それがまさか泳げないとは。
「ほら、オレって本質的には剣だから。金属の質量だから水に浮けないんだぞ」
「な、なるほど
……」
「だから残念だけど海には入れないから、砂浜で楽しめることは全部やってみようかなって」
「
……浮き輪使ったらさすがに浮くんじゃないか」
エドワードは城を作る手を止め、パチパチと瞬きした。その目は次第に希望に満たされ、ウィリアムの目にはエドワードの背後にはちきれんばかりに左右に振れる犬の尻尾が見えた。
エドワードはすぐに貸し出し用の浮き輪を借りてきて、驚異的な肺活量で一息で浮き輪をパンパンにした。それを意気揚々と腰にはめると、勢いよく海に飛び込んだ。浮き輪をはめた成人男性が全力で海を泳ぎ回る光景を見て、ウィリアムは夏の訪れを実感した。
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