Day14:浮き輪
「どこで拾ってきた?」
「そこに落ちてたぞ」
「そんなデカいもの、間違って落とすわけないだろ。絶対誰かのだから、元の場所に返してきなさい」
ウィリアムのすげない言葉に眉を下げ、肩を落としているエドワードの腰にはまっているものは、しっかり空気を入れられて膨らんでいる浮き輪だった。
いやおかしいだろ。ここは別に海でも何でもない、普通に町中の建物の中なんだが。室内で今にも海に向かって駆け出しそうな浮き輪をはめた成人男性(かろうじて着衣)はどう考えても目立つ。というか現在進行形で目立っている。ほら、近くを通りかかった親子がめちゃめちゃジロジロ見てきてるから。子供が目を輝かせながらエドワードの方を指差してるから!
「おかーさん、あったよ! 僕の浮き輪!」
「あら本当。あの人が見つけてくれたのね」
どうやらこの浮き輪の持ち主だったようだ。エドワードはすぐに子供に気がついて、素早く浮き輪を外して子供に渡しにいった。その様子を少し離れたところから見守っていたウィリアムはホッと息をついた。
エドワードのやつ、このままだと海に遊びに行きたいとか言い出しかねなかったからな。浮き輪を返し、親子に手を振って戻ってきたエドワードは、ウィリアムを見て満面の笑みで「海に行きたいんだぞ!」なんて言ってきたが、そんな予定はこの旅の中に含まれていないのである!
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