Day5:琥珀糖
「なんだ、これ?」
「あ、やっぱり気になりますか! それは
琥珀糖といって、
和の
国で仕入れた人気のお菓子なんですよ」
旅商人のルノーに
琥珀糖と呼ばれたその菓子は透明な瓶に詰められ、光を受けて宝石のように色とりどりに煌めいていた。石の形に似せてカットされているらしく硬そうな印象があるが、飴のように口の中で転がして食べるのだろうか。それともゼリーのように柔らかい食感なのだろうか。
「ウィリアムさん、興味があるならぜひ買ってみて下さい」
「興味はあるけど、あんま懐に余裕もないからな」
「では、今ならこの足音を消せる魔法の靴下とセットで三割引にしますよ!」
「食べ物と靴下をセットにするか? 普通
……」
「まあまあ細かいことは気にしないで! それでどうです、買っちゃいますか!?」
ルノーに迫られ、ウィリアムは考える素振りを見せる。だが腹のうちではすでに答えを決めていた。靴下はいらない。足音が消えるのは数時間だけだし、可愛らしいネコの柄なのも自分には結構つらい。
「靴下はいいから、代わりにこっちの食器とセットで安くしてくれよ。最近エドが皿を割ったんだ」
「お、ウィリアムさんお目が高い! このお皿は地面に水平になるようにシュッと投げるとかなり遠くまで飛んでいくという珍しい趣向のお皿なんですよ!」
「俺は投げないからな!?」
ウィリアムの主張を聞いているのかいないのか、ルノーは狐の尻尾をふわふわと揺らしながら楽しそうに商品を包んでいる。手渡された包と引き換えに、表示されているよりも少ないゴルドを店主に支払った。
この
和の
国の不思議なお菓子はどんな味がするのだろう。どんな食感がするのだろう。あとで瓶のふたを開けるのが楽しみだ。
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