Day21:自由研究
クレアの学校の宿題で「自由研究」というものが出たらしい。自分の興味のあることについて調べて、その成果を提出するのだそうだ。クレアは母の仕事の手伝いでドラゴンの世話をよくやっているし、ドラゴンに関わるのは好きだと前に話していたので、自由研究はその周辺のことを取り上げるのだろう。
……と、思っていたのだが。
「お兄ちゃん、魔法の練習はいつもどれくらいやっていますか?」
「
……まあ、一日一時間くらいかな
……?」
「ふむふむ。じゃあ、実際に練習しているところを見せてもらってもいいですか?」
「はい、どうぞ」
ウィリアムは今、家の近所にある練習場でクレアからたどたどしい敬語を使ったインタビューを受けている。ノートとペンを使ってウィリアムが言ったことを一生懸命メモしているクレアは、自由研究の題材に、兄の雷魔法の練習風景を選んだのだった。なぜ、と思わなくはないが、自由に研究することがこの宿題の意義なのでウィリアムは何も言わずに宿題に付き合うことに決めている。
真剣な面持ちで見つめられて落ち着かないが、できる限り普段通りに振る舞うように意識して魔法を使う。結果が目に見えてわかりやすい方が宿題に書きやすいかと思い、少し離れた場所にある大きめの石に狙いを定める。雷が落ちて石が割れる様をイメージしながら呪文を唱える。
「《
穿て
雷》」
呪文を唱えるのと同時に、ウィリアムから放たれた電撃が離れた石を正確に捉え、石は高い音を立てながら砕け散った。それを見たクレアは目をきらきらと輝かせて、せっせとノートに何かを書いている。
「すごい! お兄ちゃん、今のどうやったの!?」
「魔法はイメージが大事なんだ。魔法でどんなことをしたいのか頭の中に思い浮かべて
……」
ウィリアムが話したことを一字一句そのままノートに書き記しながら、クレアは憧れの眼差しでウィリアムを見つめた。兄には話したことがないが、クレアは兄と同じくらい魔法を使いこなせる人になりたいと思っている。今回の自由研究のテーマもそういう理由で決めたものだ。これから毎日、兄の練習を見学して、魔法のコツを教えてもらって、いつか自分の大切な人たちを助けられるようになりたい。それがクレアの願いだった。
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