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アスナショウコ
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【創作|馬軸】春雷-極光
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【創作|馬軸】春雷 芽吹- 春の嵐
※支部からの移植版です。文面そのままです。第一話~第三話までのクラシック編。
Attention
・この作品は競走馬とそのジョッキーを中心に描いていますが、実在する団体とは何の関係もない創作作品です。
・実際の競馬に関してわからない部分は調べていますが、事実と異なる点やありえない点もあるかと思います。そこについては創作だと割り切ってお楽しみいただければ幸いです。
・実在する競走馬をモデルにした競走馬が登場します。名前がもじってある場合があります。
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(♪~)
(随分ご機嫌だな、ロジェ)
(うわびっくりした。
……
脅かすなよ
……
)
菊花賞を終えて現在は緩めの調整でまずは体重を戻すことになっている。僕__ロジェールマーニュは渚に貰った梨を食べながら、隣の馬房に暮らすスノーホワイトの方に顔を向けた。いきなりスノーに呼ばれて驚いたので少し梨が口から零れる。
(いや~いいねえ。GⅠ連勝。いい響きだわ~)
(そうだね。安田記念から三連勝だよ、后子は。っていうか北海道で大負けしたって聞いたんだけど)
(お前はいちいち僚馬の成績にケチつけなきゃ気がすまねえのかよ。しょうがねえじゃん、やる気出なかったんだから。つか競馬ってギャンブルなんだからさ、いっつも一番人気が勝ってたら面白くねえだろ)
スノーはそう言って水桶に顔を突っ込んで数度飲み、草を咀嚼してこちらに顔を向けた。僕は梨を飲み込んでから水を飲む。
(そうは言うけど)
(うるせえな~。JBC勝てば文句ねえだろ? 鞍上姉御だし行けるって。つか俺についてとやかく言う前にお前も有馬記念勝てよ?)
勝つよ、と言いたかったが、僕は口を噤む。何となく勝てないという予感がしていた。
后子の様子がおかしいのだ。最近はあまり笑わないし、険しい顔をしている日が多い。渚が言っていたが時間のある今故郷に一度戻っているそうだ。
僕らにとっての放牧のようなものかと解釈したが、后子に限ってはそういう事ではない気がした。己を徹底して追い込むことでその才覚を発揮する人だ。
僕は只管に前を見据え、射殺すような青い瞳を知っている。皐月賞も、菊花賞も__彼女の心臓が燃えている時、そういう表情をする。きっとそれはスノーも知っているはずだ。
(まあ、そう単純な話じゃねえわな)
(
……
勝てない、とは思ってない。ただそういう予感がよぎるだけで)
(そんな予感如きに二の足踏んでどうすんだよ)
(スノー
……
)
(レコード出して逃げきりゃいいだけだろ。お前ならやれる)
スノーは器用に馬房の扉で顔の痒い所を掻いた。満足げに体を震わせて体にくっ付いていたおがくずを払う。
(まぁマイルなら俺が勝つけどな!)
(生憎僕はマイル路線には行かないよ。
……
うん、でも。ありがとう、スノー)
(礼は有馬記念の勝利でいいぜ。勝てよな、俺もJBC勝つんだからよ)
(はいはい、絶対そう言うと思った
……
)
「あれ、今日は仲良しだねロジェ。スノーも」
僕らの様子を見に来た渚が一言そう漏らした。仲良しと言われたのが気に食わなかったのか、スノーは馬房の奥に引っ込んで寝始めた。僕も何となく明後日の方向を向いて、スノーの方から顔を逸らした。
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