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アスナショウコ
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【創作|馬軸】春雷-極光
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【創作|馬軸】春雷 芽吹- 春の嵐
※支部からの移植版です。文面そのままです。第一話~第三話までのクラシック編。
Attention
・この作品は競走馬とそのジョッキーを中心に描いていますが、実在する団体とは何の関係もない創作作品です。
・実際の競馬に関してわからない部分は調べていますが、事実と異なる点やありえない点もあるかと思います。そこについては創作だと割り切ってお楽しみいただければ幸いです。
・実在する競走馬をモデルにした競走馬が登場します。名前がもじってある場合があります。
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第一話 一緒に見たい夢がある
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中央競馬のトレーニングセンターは関東と関西の二か所に設置される。中央に所属する騎手は皆この関東か関西、どちらかに拠点を置き騎手として活動していくことになるのだが。
栗東トレーニングセンターに最近伸び悩む騎手が一人いた。金色の少しうねった髪の毛に青色の瞳。身長は一八〇センチぐらいか、かなりの高身長である。トップジョッキーである武内秀吉よりも十センチ以上大きく、他の職員や調教助手__騎手と並んでも物理的に頭一つ以上抜けている。
彼女の名は『白綾后子』という。競馬ファンの間では「最も運の無い騎手」と呼ばれ、時として「全敗の騎手」とも呼ばれた。その割には身内からの評価は高い。理由は二つあって、彼女がどんなに成績不振でもへこたれない事、それから調教で后子が乗った後はぐんと馬が成長する事。この二つが身内から評価される理由だった。
后子を良く知る者たちは言う。「何で勝てないのかわからない」と。そして后子も同時に思っている。「何で勝てへんねん」と心の底からそう思っていた。
だがしかし現実とは非情なものである。もう少し何かきっかけがあればポンと勝てるかもしれない。周囲の騎手は言う。だがしかし、様々な幸運が重なって騎乗叶った日本ダービーでは惨敗。その後も勝ちを拾えず、結果的に借金返済に苦心する彼女の生活はカツカツになっていった。そして現実は一つの無情な採決を下す。
「白綾騎手
……
これは、提案です。あくまで提案です。あの
……
一応進退を考えて頂けないでしょうか」
「
……
あ~~
……
はい。わかりました。ですよね
……
」
目線を泳がせる后子は自分の右腕を掴んでか細い声を絞り出す。何度も考え頭によぎった騎手引退__それが現実のものとして目の前に転がされた。騎乗エージェントは「あくまで提案ですから
……
」と重ねて言うが、実際后子にとって騎手を続けていくうえで最善の選択は地方競馬への移籍だった。
「重ねて言いますが、これは強制ではありませんし、まず僕に強制できるものでもありません。提案です。白綾騎手はトレセン内でも信頼度が高いですし
……
」
「はぁ
……
」
后子はぼんやりとした返事を返しつつ、「いやもうそれ騎手辞めたらええんとちゃうん?」って言うてるやんけ、と内心ツッコミを入れる。エージェントは眼鏡の位置を正しながら后子の方を見た。
「しかし、今より生活はよくなると思います。かなりカツカツだと聞いておりますので」
「私が勝ててないのは事実です。それについては
……
保留にさせてください。有難いことに佐賀競馬に来てみいひんか、ってお話があるんです」
「佐賀、ですか。ううん。
……
今すぐどうこうとは言いません。それでは失礼いたします」
エージェントはそう言ってその場を去って行った。后子はその後姿を見送り、深いため息をついて、残っていた麦茶を一気に飲み干した。
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