幸せの森のお話集

10年以上前に一年間ほど書き続けた、ハッピーツリーフレンズの二次創作集


 
 
うでについてかんがえた話
 
 ペチュニアはハンディの両腕について考える。
 みんなはいくら腕が切断されようと皮膚が削げようと、果ては脳髄や内臓を撒き散らしたところで次に息をする時には元通りだというのに、どうして彼の両腕だけは無いままなのだろう。
 初めから無いものは無いのだから治らない?でもそれじゃあ腕が無くなった時はどうしたの?(生まれた時にはさすがにあったと思うのよ)
 腕がなくなって、でも死ななくて(確かに私もそれだけじゃあ死ななかったし!)
そういうものって定着しちゃったから、その後死んで起きても戻らない?(これもダメ!だって私の腕は元に戻ってるもの!)
 なんだか分からなくなってきたので、ペチュニアは別のことを考えることにした。
 もしもハンディに腕があったらどうなのか。
 まず、手を繋げる。(きっと少しゴツゴツしてて大きいんだわ)
 彼が高い所から落ちる回数もきっと減る。(そもそも命綱とかつければいいのに)
 ペチュニアが死ぬ時に抱きあげようとして、でも出来なくて泣きそうな顔になるのを見なくて済む。(あれが一番見たくないの)
 そしてなにより抱き合える。(これ、すごく大事!)
 そして次は腕が無いハンディのことを考えた。
 何かを持つのも差し出すのも口でくわえたり頬と肩で挟んだりする。(顔が近いって!)
 作ったお弁当はペチュニアが口に運んでいる。(しかめた顔が少し赤いのがすごく可愛いと思うの)
 ペテュニアが正面から抱き付くと、抱きしめ返す代わりにおでこを合わせてグリグリする。(ああ、もう、あの時の照れた笑顔って大好き!)
 ここまで来て、ペチュニアは腕について考えることを止めた。
 時計を確認すれば、もうハンディの仕事が終わる時間だ。
 今日のお仕事はポップの家の納屋の修繕だったはず。
 ペテュニアの家からなら少し速く歩いて10分もかからずにポップの家だ。
 手作りのサンドイッチが入ったバスケットを掴んで家を飛び出す。
 もうじきに会えると思えば、自然と顔がほころんだ。
 結局、ペチュニアにしてみれば腕があっても無くてもどっちでもいいのだ。
(だって私が好きなのは、腕じゃなくてハンディだもの!)