幸せの森のお話集

10年以上前に一年間ほど書き続けた、ハッピーツリーフレンズの二次創作集


 
うやまう話
 
 「あれ、フリッピー?どこか行くの?」
いつものように自作のチョコチップクッキーを携えてフリッピー宅のポーチをくぐれば、ちょうど母屋から出てきた本人と鉢合わせした。フレイキーは目をぱちくりさせて首を傾げた。だって今日は二人で映画のビデオを見る予定だったのだ。
ポップコーンでも買いに行くの?それなら僕はキャラメル味がいいな。とフレイキーが言うと、フリッピーはそれも大事だけど、もっと重要な任務が出来たんだ。と、とても真面目な顔をした。そして、フレイキーも一緒に来なよ。と手を引いた。
フリッピーと手を繋いだまま、フレイキーはメインストリートに続く道をぽてぽてと歩いた。
花屋って今日は誰がやってるんだろう。ランピーじゃなければいいけど。とフリッピーがしきりに心配しているので、今日はギグルスがやっていたと伝えて心配事を減らしてあげた。
「お花屋さんに行くの?」
「そう、バラを買いに」
「ばら?」
バラって食べれたっけ?と首を捻るフレイキーに、食べないよ、とフリッピーは苦笑いする。
「カレンダーを見たら気付いたんだ」
「なにに?」
「今日は父の日だ」
だから、この森で唯一の『お父さん』に敬意を表しに行かないと。
なるほど。フレイキーは納得して大きくうなずいた。じゃあ、カブちゃんにもクッキー少しわけてあげようかな。
「あとで映画を見ながら食べる分は残しておいてくれよ」
はーい。