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紫輝
2023-12-09 10:28:10
36253文字
Public
リオヌヴィ
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1000字くらい作文詰め合わせ
短いものの詰め合わせセット。書いたら増えます。(最終更新:01/10)
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龍の恋バナには癒やし効果がある
「時に、書き送った君への手紙は友人に送るものとして相応しい内容であっただろうか」
カップ
――
中身は白湯だ
――
をソーサーへ戻したヌヴィレットから不意に寄越された問いかけに首を傾げてしまった。困惑が伝わったのか、彼はそのアメジストの視線でカップの縁を撫で、続けて口を開く。
「フリーナに言われたのだ。『最近の君は突然公爵の話に舵を切るからびっくりする』と」
「
…
あーーー」
些かばつの悪そうな声音に苦笑する。思い当たる節があったので。確かに『最近のヌヴィレット』から饗される話題は水底の公爵の話が八割だし、ちょうど去年の今頃彼から受け取った手紙の話題は老舗ホテルの特別メニューの勧めから始まり何故か公爵の話に飛んで、食事への誘いでオチたのだ。何度か読んで、「
…
公爵の話いる?」
…
なんて思ったのはこの先も秘密にしておこうと今この席で決めた。ちなみにそれが不愉快だとは爪の先たりとも思っていない。その美貌をふわふわと笑顔に溶かしながら、公爵とのささやかなやり取りをそれは大切そうに口にするヌヴィレットは正に恋する乙女
――
便宜上の呼称だ
――
そのもので、たいへん微笑ましい。幸せそうで何よりだ。
「私の立場は君も知っての通りだ。君やフリーナが相手であれば、
…
何と言えばいいのか、リオセスリ殿の話を気兼ねなく口に出せる、と、判断しており、」
無意識にそれが手紙や会話に反映されてしまったのかもしれない、申し訳ない。君を不快にさせていなければ良いのだが。
そんな空の心境を勿論知る由もなくやや萎れてしまったヌヴィレットに笑って首を振った。
「そんなことないよ。むしろ嬉しいな。好きな人の話をしてくれるって事は、俺のこと大事な友達って思ってくれてるってことでしょ?
…
あ、もしかして絶対開かない二枚貝みたいな認識だったりする
…
?」
友達と海の生き物だとどちらの優先順位が高いんだろう。そんな事をつい考えてしまいつつ答えた空に、ヌヴィレットは胎海の瞳をぱちりと瞬く。
「大事な
…
そうだな。君の事は大切な友人だと思っている。
…
フリーナの事も」
それから噛み締めるように呟いた彼は、雨上がりのロマリタイムフラワーの如く潤いを取り戻したようだった(友人を貝と同列にはしない、と律儀に否定の言葉もついてきた)。
「フリーナもね、「あいつが会うたび惚気てくるんだ。幸せそうで嬉しいよ」って話してくれるんだ。だからこれまで通り、君たちの縁結びの立役者に色々話してよ」
それはもう大変な思いをしたのだから幸せでいてくれないと困るのだ。彼と、今この場にいない彼の最愛の二人には。そうであって欲しいと願ってもいる。そうしてみせるとすら最近は思い始めていて、俺たちヌヴィレット達のなんなんだろうねなんてフリーナと笑いあったのも記憶に新しい。
「
……
感謝する。至らぬ私だが、これからも友人としてよろしく頼む」
長い指を組みほっとしたように笑むヌヴィレットに、勿論とうなずいて。
「実はさ、今年くれた手紙があんまり普通でびっくりしたんだよね。ヌヴィレットがさっき言ってた、「友人に送るもの」の模範みたいな手紙でさ」
それが悪いって言ってるんじゃなくて。
もしかして公爵と何かあったのかなって勘繰っちゃった。
気にしてたんだね、と続けると、彼は喉奥で唸ったようだった。
「実はあれは二通目なのだ。一通目は
…
その、私の無意識が、大いに出てしまったので
…
」
外された視線にくすくすと笑って、カップを傾けて。
「じゃあ、『大丈夫』の確認が取れたところで、一通目のこと聞きたいな」
公爵とは仲良くしてる?と、こちらから話題を振ると、白皙がほわと笑み、少しだけトーンの高いその声が、『一通目』について語り出す。
「実はリオセスリ殿が廷内に家を買って
――
」
かの公爵の話題でなければ聞けない、はしゃぐ波を思わせる声音に耳を傾けつつ、空は晶螺マドレーヌを齧るのだった。
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ヌ様のお手紙2025、「実はこうだったらいいな」をね、こう、あれしてあれしました
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