紫輝
2023-12-09 10:28:10
36253文字
Public リオヌヴィ
 

1000字くらい作文詰め合わせ

短いものの詰め合わせセット。書いたら増えます。(最終更新:01/10)



その背中に熱視線


 ちりちり、視線が背中を灼く。けして不快なものではないがとにかくむず痒い。目は口ほどにとはよく言ったものだ。
「あー、ヌヴィレットさん。俺の背中に何か愉快な悪戯でもしてあるのかい?」
 熱すぎる視線に白旗を掲げその ぬしに投げた問いに、はっと息をのむ音が聞こえた。
 すまない、その。ややして落ちた耳触りの良い声が。
「理由はうまく説明できないのだが、君の背中はずっと見ていたい気持ちになるのだ。広く、逞しく、頼り甲斐があって、安堵を覚える」
 ぽそりぽそりと口にした熱視線の理由に、喉が唸り声のようなおかしな音を立てた。このひとはいつもこうやってリオセスリをコロしにくるのだ。無意識だからたちが悪いというか、このひとの気性を鑑みると単に破壊力が凄まじいというか、とにかく不意に飛んでくるこれをスマートに受け止められたことが今まで一度たりともない。
「あんたにそう言ってもらえるなら鍛えてる甲斐があるよ」
 人への寄りかかり方が分からないこのひとからの最大級の賛辞を胸の内の金庫に大切にしまって何とか笑ってみせる。ん、と曖昧な相槌をくれたそのひとの視線がうろと彷徨い、ちらとこちらを見て、細い指へ落ち。
「君の背中をずっと見ていたい気持ちは本心なのだが、こちらを私を見て欲しいとも、思う」
 そうして落とされた二言目の破壊力は一言目に勝るとも劣らないそれで、思わずつきそうになった特大のため息を深く息を吸うことに代え、静かにゆっくりと吐き出す。
「ヌヴィレットさんが望んでくれるなら喜んで。立ち位置はここでいいか?」
「問題ない。私がく」
 両手を上げて首を傾げれば、頷いたそのひとはするりと立ち上がって距離を詰めてきた。広げたままの腕の中まで。
 おっと、と思いはするものの、腕は勝手にその細身を抱きしめる。ふふ、と満足げな吐息が聞こえて、今度こそ天を仰いだ。ちょっと可愛すぎやしないだろうか。
 そのまま肩口に懐いてくるそのひとの好きにさせていると、不意に動きが止まる。
これでは君が見えない」
 今気づきましたと言わんばかりのそれに、失礼と知りつつ声を上げて笑ってしまった。

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シグウィン看護師長のPVで一瞬映ったセスリ殿の背中にギュンってなってしまい格好良かったな