camellia57
2025-12-13 19:47:56
38479文字
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降っても晴れても 君の隣で(川玉SSまとめ 26.5.18更新)

川瀬エンド後の川玉小話まとめ
下に行くほど新しいです
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 川瀬の頭の出来が非常に良いことは疑いようがない事実だ。
 勉学だけではなく相手の言葉の裏を見抜く力、違和に気がつく洞察力、さらにああ見えて努力家でもある。人には見せないようにしているのかもしれないが、私にはお見通しだ。
 しかし頭が良すぎるあまりに凡人には理解できない方向に思考を飛ばしてしまうこともまた事実なのである……


「ねえ玉森くん、俺に向かって『嫌い』って言ってみてくれないかな?」
 日頃から「好き?」だの「恋人だよね?」だの言ってくる男がそれと真逆のことを言い出して、私はついに川瀬が馬鹿になってしまったのかと思った。
「な、なん、で……?」
「免疫をつけておこうかと思って。予防接種したことあるでしょ? それと同じだよ」
 ますますわからん。
「そ、そんなことする必要ないだろ。私がそれを言う前提で話をするな」
「そうかな? 怒った玉森くんが勢いで言っちゃうこと、あるんじゃない? 玉森くんが本気で言ってなくてもさ、流石に俺もそれを言われたら落ち込んじゃうから慣れておきたいんだよね」
「私が怒るようなことをしなければいいだろう!?」
「俺、玉森くんの怒った顔も好きなんだよね。かわいくてさ。あぁ、これは嘘じゃないよ」
「! な、な、なにを……言って……
「そうやって君がすぐむくれるから。その顔がかわいくて、つい」
「!!」
 おかしい。おかしいぞ。おかしいだろ。
 私に『お願い』をしているのは川瀬なのに、なぜ川瀬のペースになっているのだ??
 言われた通りに『嫌い』と言ってやればいいのか?
 でも、それを言われて本当に川瀬は平気なのか……? 
 私だったら……。傷つく。私は川瀬を傷つけたくはないのに。


……怒っても、言ったこと、ないだろ……
「今のところはね、」
「い、言いたくない」
「どうして?」
「そんな言葉をわざと言う必要はないだろう? お前は頼まれたとして、私に向かって言えるのか?」
「俺がこの先玉森くんを嫌いになることなんて絶対にないよ」
「そんなの、私だって……、」
……本当に?」
「す、好きな、……こ、恋人の言葉くらい、信じろ……
「!」
 私がそう思っているわけではなく、川瀬のいつもの言葉を借りているだけで、そこに特別な意味はない。そうだ、うん、そうなのだ。
「勉強のし過ぎて疲れているなら膝枕くらいはしてやらないこともない」
 ソファに腰掛けたまま太腿をポンポンと叩けば大人しく身体を倒してきた。
 照れているのを見られたくないのか顔が私の身体とは逆を向いている。
 気を良くしたついでに頭を撫でてやろう。
 よしよしと触れればぴくりと反応して「なんのつもり」とこちらを見ずに言ってくる。
「毎日頑張っていて偉いな〜。と言うやつだ」
「本来、勉強を頑張るのは君のはずだよね」
……
「君のお陰で疲れが取れたからお礼に明日はみっちり指導してあげるね」
「にゃ、にゃはは……
 どうしてこうなってしまうのだ!?
 川瀬の狙い通りにならないためにも勉強は必要なのかもしれない……