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アスナショウコ
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【創作|馬軸】春雷-極光
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【創作|馬軸】春雷 褪色- 花散りて、なお [了]
七話~最終話です。
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『さあ最後の直線だ、やはり最後はこの二頭だ、大外回ってフジサワコネクト、フジサワコネクトが来た!! フジサワコネクトが来たぞ~~!!!! だがしかしロジェールマーニュハナを進む、フジサワコネクト追い縋る、ここで馬郡を抜けてナイストゥミーツがやって来たァッッ!!!! しかしロジェールマーニュリードをキープ、フジサワコネクト加速する、だが、だが、だが!!!!
____ロジェールマーニュが差を広げる、ロジェールマーニュだ、ロジェールマーニュだ!!!!
もう他には誰も来ない、ここは紳士の戦場だッッ!!!!
貴方と私、最後のワルツ______!!!!!!』
妙に眠れないので、ベッドで胡坐をかいてYouTubeを見る。手元のスマホの中で流れるのは、五年前に引退したロジェールマーニュのラストラン__宝塚記念の映像だった。鮮やかに抜け出して後続を突き放し、五馬身差つけてのゴール。
最も強く、速く、美しいロジェールマーニュがそこにいた。
しかし私と言えばウイニングランをしようと戻った時にはもう涙が止まらなかったし、インタビューでも何を言うたか全く覚えてへん。当のロジェはけろっとしていて、泣いている私を気遣う余裕まで見せてた。めちゃめちゃ労われてたわ。流石にまずいと思って泣き止んだけど。泣き止んだ後にめちゃめちゃ写真撮られて記事にされたのホンマ恥ずかしかったわ
……
。
「にゃ」
「おぉ? 珍しいなぁ、デレるや~ん」
経緯あって保護し、飼い猫となったクロが膝に乗ってくる。トレセン真横にあるワンルームマンションに引っ越した私は一人と一匹で暮らしていた。一つだけ悪いことがあるとすれば、クロに天皇賞・春の盾で爪とぎされたことぐらいなもんで。
ロジェが引退してからも私はコンスタントに成績を残せている。これも全部彼のおかげなので、毎年会いに行って神代さんとこに梨も送っている。棚に飾られたロジェと私が映る写真は色あせることなく輝きを放っていて、私はこれの横にエイダのやつが並ぶんやな、とか思ったりした。スノーの分は棚の上にある。
「ん? もしもし?」
唐突にかかってきた電話に出る。相手は幼馴染の神宮司怜奈だった。えらく興奮したようにまくし立てているので半分何を言っているのか分からない。
「怜奈、酔っぱらってるやろ」
「あ~ん、ばれたぁ? なぁなあ后子ぉ、ダービー、チケット取れたんよぉ。見に行くさかい絶対勝ちやぁ~~うふふふふ」
「もうこの酔っ払い。ええ加減にしとかんとほんまに肝臓悪くすんで!」
「わかってるわかってる、大丈夫やってぇ。
……
なぁ、ダービー
……
ロジェールマーニュが、取り逃がしてしもたぁ
……
ダービー、やでぇ」
「うん。
……
勝つよ、怜奈。勝つさかい、よく見ときぃや」
自分でも驚くほど自信のある言葉が出る。今日は飲んでへんけどなぁ、と思いながら、膝で丸くなっているクロをそっと撫でた。
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