芹沢亀吉
2025-11-03 19:43:35
45065文字
Public 菊タブー
 

逃亡先にて

暴虐な軍国主義者の楠木武が大恥をかく物語の通算120話目。かなり濃厚な性描写もあるので18歳未満の閲覧はお断り。そして⚠️が付いている章は食事中には読まないこと!


 この発明を日本政府転覆には全く寄与しないと考え最初は無視していたものの、最近の楠木は己の虐待死隠蔽を防衛省上層部が隠すため秘密部隊を動かすのを警戒し平行世界への亡命に使おうと考えるように。この虐待死隠蔽野郎は己の保身のため粗暴な愚か者とは思えない計算高い一面を見せることも。

「さぁて、大河貴様の役目はここまでだ。」

 そう言うや否や9mm自動拳銃を抜き大河の眉間に銃弾を撃ち込む楠木、これも己の保身のための口封じに他ならない。秘密部隊に口封じされるのは死んでも嫌な癖に、自分は用済みの大河を口封じのため平然と射殺するのがこの一等陸佐の卑怯なところ。

「最早この世界に用は無い!この楠木は新たな世界に赴きその地に大日本帝国を復活させる!さらばだ!」

 追いかけてきた秘密部隊にそう毒づき、楠木はメガクルーザーのアクセルを思いっきり踏んだ。時速120km超の車両が稲妻状の閃光に包まれ時空の穴と奥へとあっという間に消え去った。

「こんな動かん車は要らん!」

 故障に苛立った楠木はメガクルーザーを手持ちの手榴弾を使い爆破するも、何者かに後頭部を殴られ平行世界に亡命して早々に意識を失う破目に。

「ん?俺は一体?」

 意識が戻った楠木はふと周囲を見回し思わず息を呑んだ。楠木は今何処かの宗教施設の講堂と思しき場所にいて、大勢の信徒に囲まれている教祖と思しき中年男性は顔付き、背格好は勿論口髭を生やしているところまで彼とほぼ同じ。

「漸く目を覚ましたか。お主、一体何者だ?この私、まほろば・すさのおと瓜二つではないか。」

 楠木は身の危険を感じ手持ちの武器を使おうとしたものの、9mm拳銃、手榴弾は勿論サバイバルナイフも既に没収済み。

「おい貴様、早く神祖様の質問に答えろ!」

 己が丸腰であることに気付いたのも相まって、楠木は全身の震えが止まらない。元の世界にいた時は「臆病は恥」と宣い気弱な部下を痛めつけていた癖に本人はこの体たらくである。

「まほろば・すさのお?神祖様?まるで意味がわからんぞ!」

 そう叫んだ途端に教団幹部と思しき者に顔面をぶん殴られた楠木を遠巻きに眺め、「神祖様」は嫌らしく微笑む。信徒達の前では上品ぶった話し方をしているとはいえ、他人が痛めつけられるのを見て喜ぶ腐れ外道である点は今ぶん殴られた楠木と全く同じ。

「お、俺は楠木武一等陸佐だ。ある方法を使い別の世界からやって来た。」

 この楠木の発言に対し、信徒達は「何言ってんだ、コイツ?」「変なドラマの観過ぎだろ?」等と大笑い。

「皆さんお静かに。」

 信徒達が楠木を笑いものにするのを戒める「神祖様」をよく見ると、己の右膝を抓り笑うのを懸命に堪えている最中だ。

「何がお静かに、だ!貴様もこの楠木を笑いものにしたくてウズウズしている癖に善人面するな!よし貴様らに凄いものを見せてやろう!この楠木を笑いものにしたことを後悔するがいい!」

 そう豪語した楠木は己の衣服も下着も全て破り捨て全裸姿に。どうやら四面楚歌の状況に追い込まれ自暴自棄になった模様。楠木の弛みきった裸体を目にした信徒達並びに「神祖様」は開いた口が塞がらない。