芹沢亀吉
2025-11-03 19:43:35
45065文字
Public 菊タブー
 

逃亡先にて

暴虐な軍国主義者の楠木武が大恥をかく物語の通算120話目。かなり濃厚な性描写もあるので18歳未満の閲覧はお断り。そして⚠️が付いている章は食事中には読まないこと!


「ほぉ、こんなところにいたのか、ビル・タネン。」

「違う!人違いだ!タネンは俺みたいなヒゲなど生やしてなかっただろ!」

 ハリアー戦闘機から降りてきたジョナに対しそう叫んだ初老の白人男性は付け髭がポロリと外れた。そう、この白人男性こそ姿をくらませていたタネン本人だ。

「下手くそな変装だ。伊達メガネをかけご自慢の口髭を剃った前の教祖サマ、Mr. KAMIKAZEの方がまだ変装が丁寧だった。ウヨポネ教団の残党を片付けるため来たが、まさかタネン、貴様と会えるとはな。」

 行き場の無いタネンはウヨポネ教団の残党達のところに身を寄せ、日本人かつ名誉白人気取りの残党達も彼を新たな教祖に迎え教団再興を企てるも何処からかハリアーを調達したジョナ一派に攻撃されあえなく壊滅。教団の秘密基地が八割方壊滅したのを受けタネンは残党達を見捨てて変装し逃亡を企てたとはいえ、事前に残党達と行動を共にしているとの情報を掴んでいたジョナの追跡を逃れることなど出来はしない。

「す、すまん!俺が悪かった!許してくれ!この通りだ!」

 謝ったフリをしつつ隠し持っていたデリンジャー小型拳銃を取り出したタネンではあるものの、MI6の諜報員として、反政府活動家として数々の死線を越えてきたジョナに姑息な騙し討ちは通用せず、銃口を向ける前に眉間を撃ち抜かれそのままあの世行き。

「Mr.ジョナ、教団の残党を全員始末し秘密基地も徹底的に破壊しました。」

「Mr.田中、ご苦労だった。私の方は新たに教祖サマになったタネンを仕留めたよ。あっちの世界で前の教祖サマ、Mr. KAMIKAZEと会えるよう祈ってやろう。」

「やはり軍事大国イスラエルを簡単に滅ぼした我らの王がタネンを敢えて放置したのは我々に後始末を任せたからでしょうか。」

「そうだな、私も同意見だ。あのMr. KAMIKAZEにしたって我らの王なら我々のマルウェアの侵入を待たずして宇宙ステーションごと叩き潰すことも出来た筈。さて、そろそろ彼女達に会いに行こう。」

 ウヨポネ教団の残党を完全に叩き潰したジョナと田中は日本に足を運び、一ノ瀬と共に篠田姉弟の再会に立ち会うことに。

「おかえり春哉。」

「僕、生きていて良いよね。姉さんと昔のように話してもいいよね。」

「うん。」

 一ノ瀬が無言のまま頷きジョナと田中に合図を送ると、3人は篠田姉弟をしばらく二人きりにしておくため静かに部屋を退出した。

 都心への核攻撃も最終兵器行使宣言も日本政府とは無関係のテロリスト楠木武がテロ組織を率いて勝手に起こしたため日本政府に責任は無い、門長前首相をはじめとする日本政府の要人達のこの主張は全世界から不信を買うことになり、結局国連憲章の敵国条項が適用され現在日本は国連軍の占領下に置かれている。一ノ瀬、篠田がウヨポネ教団と自衛隊の合同秘密訓練の写真を公表したのを皮切りに自衛隊、即ち日本政府が有する軍事組織が組織ぐるみで教団の悪事に加担したのが世界中に知れ渡った今、日本政府に責任は無いという前首相らの噓を真に受ける愚かな国など存在しない。

 国連軍の占領下に置かれた21世紀の日本は一見1945年の敗戦後と同じように見えるとはいえ、タネンが雲隠れする直前に世界に向け国連脱退を通告したため今回アメリカは蚊帳の外。在日アメリカ軍基地も全て国連軍に占領され、核兵器持ち込み、汚染物質垂れ流し等日本政府が事実上野放しにしていた在日アメリカ軍の悪事も全て暴かれた。ウヨポネ教団に協力した政治家、官僚、自衛官、警察官、裁判官は悉く公職を追われ、教団と癒着していた大企業、報道機関は全て解体、自衛隊が都心を占拠したのに乗じ在日外国人への迫害を楽しんでいた差別主義者共も次々お縄を頂戴することに。民間人殺戮を楽しんでいたクズ自衛官共が殺人罪に問われたのはわざわざ記述するまでもないか。